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2021年12月15日水曜日

John Lewis BWV864賛

ジョン・ルイス BWV864のプレリュードは長すぎる、

そう思っていた。

だがぼんやりきいていたら

途中からとてつもなく美しくなる、

それにはじめて気づいた。

音が宙にひろがってゆく、

何ものかをつかもうとしている。

私がきいたなかで最も美しいBWV864のプレリュードかも。


L'innocente


この曲のリヒテル演奏版を繰り返しきいていた女がいた。

ラウラ・アンネッリと同じくらい美しい腋毛の女だった。





月夜の砂浜にまどろんでいる海のようでもあった。




それにしても、アルベルチーヌのなかで生きていたのは、私にとっては、一日のおわりの海だけではなかった、それはまた、ときには、月夜の砂浜にまどろんでいる海だった。(プルースト『囚われの女』)