日銀“異次元”死守のツケ 海外ファンドとの攻防【7月4日(月)#報道1930】 |
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このBS-TBS「報道1930」の16分少し前から始まる早川英男・藤巻健史・加谷珪一の討論がある。この三人は今まで何度か引用してきた方々で、この数年のあいだとても勉強させてもらった。 たしか日銀の知恵袋と呼ばれたこともあったと記憶する元日銀理事の早川英男、かつてのモルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)東京支店長兼日本代表の藤巻健史、野村證券グループの投資ファンド運用会社を経て独立したコンサルタントの加谷珪一である。 |
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藤巻健史氏のホームベージにはこうある。 |
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元日銀理事の早川英男さん、経済評論家の加谷珪一さんとの昨日の討論(BS-TBS「報道1930」)は番組ホームページから見ることができます。「日銀”異次元“死守のツケ 海外ヘッジファンドとの攻防」。最初から16分00くらいから始まります。 X デイが来る予想時期の差はありますが、早川さん、加谷さんとも本音はかなり悲観的だと感じました。早川さんは「財政がこのままで改善しなければ藤巻シナリオになりうる」、加谷さんは「財政改善や成長戦略を示せれば時間稼ぎは出来る」とおっしゃっていましたが、今のバラマキ政治が急激に財政健全化に変わるとは到底思えません。それに、それらの議論でどうにかなるには、あまりに遅すぎます。 なお、時間の制約があったので発言できなかったのですが、この録画を見るうえで、頭に留めておいておきたいことが何点かあります。代表的な点は①長期金利を中央銀行がコントロール出来ると思っているのは黒田日銀のみ。それにチャレンジしているのが黒田日銀②国債を爆買いするとはその分、お金をバラマクということ。③通貨高はインフレ防衛の最大の武器(特に完全雇用時)。したがってインフレが最大の問題の米国はドル高が不可欠。 |
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藤巻氏は上のように書いているが、この討論では、早川氏は種々の条件をつけながらの「藤巻シナリオになりうる」、加谷氏もまだそこまでは、というようなニュアンスを見せている。二人ともどこか歯にものが挟まったような言い方で、「Xデイ」の訪れを否定も肯定もしていないという印象を受ける。 藤巻健史氏のいうXデーとは「日銀の債務超過、円暴落、ハイパーインフレ」である。 |
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藤巻氏はインフレに関しては「今のところ日本は世界中で一番マイルドな値上げだが、これから日本は世界中で一番激しい値上げがくる」としている。 円安に関しては、「日銀は金利を上げないのか、上げられないのか」の問いに収斂する。 |
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藤巻健史 間違いなく上げられない 早川英男 現状は上げられないのではなく上げない 加谷珪一 先ほどの藤巻さんのご意見はかなり悪い状態を想定したご意見…(ただし)政府日銀は上げたくはないと思うんですね |
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と言っているが、加谷珪一は少し前には次のように書いているのである。 |
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日本は、金融正常化どころか量的緩和策から脱却する道筋がまったく見えておらず、金利を上げたくても上げられない状況にある。(加谷珪一 「1ドル=125円超え…日本人の生活を直撃する「円安」がここまできた「4つの理由」」2022.03.30) |
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というわけだが、さて藤巻シナリオの可能性の判断はーー、皆さんにお任せしよう・・・ なお藤巻氏は、4月時点で既に、1979年に行われたボルカーFRB議長による衝撃の「サタデーナイト・スペシャル」、つまり10年物金利20%さえありうることを示唆している。
今後の「穏やかな」政策金利予想は、SMBC信託銀行 投資調査部(2022 年 7 月 11 日)には次のようにある。 なお4月初頭の「日経」には1%金利格差は約8%円安を生むとの分析があった。 ボルカーの「サタデーナイト・スペシャル」は当面脇にやるとしても、現在の円ドルレート140円弱は、日銀が今の政策のままであるなら、まだ序の口レートであるだろう。 なおかつて「金利上昇がもたらす、悪夢のシナリオ」(2013年)を実に正当的に指摘した野口悠紀雄でさえ、この今の日銀の長期金利抑制政策は是正すべきだとしている。つまり日銀は「金利は上げられないのではなく上げなくてはならない」の立場であるーー「日銀の6月国債購入「過去最大」の異常、長期金利抑制は財政に望ましいか」(2022/07/14)
通常は金利が1%上がれば、1000兆円の債務残高であるなら10兆円(消費税4%相当)だがーー実際は地方債も含めて1200兆円超あるーー、10年債の比重が高く直ちにはそうならない(借り換えによって徐々にそうなる)。0.8➡︎2.1➡︎3.7となっているのはその意味。つまり雪だるま式に利払いが増えてゆく。これが「悪夢のシナリオ」なのだが、それをいちはやく指摘した野口悠紀雄でさえ、この今、上のように言っているのである。 (このデータは数字が古いことは別にして)利払いが10年先に50兆円増えたって、例えば消費税20%上乗せして30%にしたら何とかなりうる、今の国債市場が機能しなくなりつつある異常政策や円安怒涛などよりはまだマシだ、という立場を野口氏はとっているように見える(消費税1%増は現在約2.5兆円)。実際、先に掲げた米国の政策金利予想に基づくなら、日銀は今年中に4%ほどに金利を上げないと円安は止まらないだろう。 日本の異常政策の代表的なもうひとつは、世界一の少子高齢化社会にもかかわらず、消費税(付加価値税)が異様に低いことであるのは間違いない。 だが日本的民主主義社会ーー、デモクラシーとは定義上「大衆の支配」であるーーでは、これらの異常さを正常化するのが甚だしく困難なのも間違いない。 |
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ピケティは既に10年以上前、こう言っている。
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