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2022年10月19日水曜日

馬鹿馬鹿しい、俺は黙る

 ツイッターというのは、小林秀雄がむかし林房雄について言ったようなことがより鮮明に現れる場だからな


林房雄の放言という言葉がある。彼の頭脳の粗雑さの刻印の様に思われている。これは非常に浅薄な彼に関する誤解であるが、浅薄な誤解というものは、ひっくり返して言えば浅薄な人間にも出来る理解に他ならないのだから、伝染力も強く、安定性のある誤解で、釈明は先ず覚束ないものと知らねばならぬ。〔・・・〕


「俺の放言放言と言うが、みんな俺の言った通りになるじゃないか」と彼は言う。言った通りになった時には、彼が以前放言した事なぞ世人は忘れている。「馬鹿馬鹿しい、俺は黙る」と彼は言う。黙る事は難しい、発見が彼を前の方に押すから。又、そんな時には狙いでも付けた様に、発見は少しもないが、理屈は巧妙に付いている様な事を言う所謂頭のいい人が現れる。林は益々頭の粗雑な男の様子をする始末になる。(小林秀雄「林房雄」)



この2年間のあいだだけでさえ、反コロナワクチン派でも、反親露派でも、最初は陰謀論者と貶められつつ、よく頑張り続けているよ。「馬鹿馬鹿しい、俺は黙る」とならずにさ。彼らのおかげだね、世界に冠たる羊脳日本人がわずかでも減りつつあるように見えるのは。


ボクは5年ほど前までは、例えば反消費税派や財政赤字問題なし派に対して、いくらかの放言罵倒をした経験があるのだが、「馬鹿馬鹿しい、俺は黙る」とすぐなっちまったね。最近でも親ウクライナ派や親米ネオコン派なる完全ロバにはつける薬がないや、って気分でさ。


ボクは性格が平和的すぎるんだろうよ


私はまったく平和的な人間だ。私の希望といえば、粗末な小屋に藁ぶき屋根、ただしベッドと食事は上等品、非常に新鮮なミルクにバター、窓の前には花、玄関先にはきれいな木が五、六本――それに、私の幸福を完全なものにして下さる意志が神さまにおありなら、これらの木に私の敵をまあ六人か七人ぶら下げて、私を喜ばせて下さるだろう。そうすれば私は、大いに感激して、これらの敵が生前私に加えたあらゆる不正を、死刑執行まえに許してやることだろう――まったくのところ、敵は許してやるべきだ。でもそれは、敵が絞首刑になるときまってからだ。(ハイネ『随想』)

Ich habe die friedlichste Gesinnung. Meine Wünsche sind: eine bescheidene Hütte, ein Strohdach, aber ein gutes Bett, gutes Essen, Milch und Butter, sehr frisch, vor dem Fenster Blumen, vor der Tür einige schöne Baume, und wenn der liebe Gott mich ganz glücklich machen will, läßt er mich die Freude erleben, daß an diesen Bäumen etwa sechs bis sieben meiner Feinde aufgehängt werden. Mit gerührtem Herzen werde ich ihnen vor ihrem Tode alle Unbill verzeihen, die sie mir im Leben zugefügt — ja, man muß seinen Feinden verzeihen, aber nicht früher, als bis sie gehenkt werden. (Heine, Gedanken und Einfälle.) 


西側の指導者たちは軒並み絞首刑にほぼ決まったんだろうからな。それで満足さ。