蚊居肢散人はおおむねエロのことしか考えていない人間だからな、前回敢えてつけ加えなかったが、戦争の享楽は、剰余享楽じゃなくて真性の享楽に近似しているかもしれないよ。
これまでのところ、人間の最高の祝祭は生殖と死であるに違いない[So weit soll es kommen, daß die obersten Feste des Menschen die Zeugung und der Tod sind! ](ニーチェ遺稿137番、1882 - Frühjahr 1887) |
少し前示したが、「享楽は性欲動のこと」だからな。 何はともあれ、人間のすべての言説はこの性欲動の昇華だよ、戦争や芸術のようにギリギリのところでの昇華か、哲学や科学のように昇華しすぎの学問という差異はあるにしろ。 |
プラトンは考えた、知への愛と哲学は昇華された性欲動だと[Platon meint, die Liebe zur Erkenntniß und Philosophie sei ein sublimirter Geschlechtstrieb](ニーチェ断章 (KSA 9, 486) 1880–1882) |
性欲動の発展としての同情と人類愛[Mitleid und Liebe zur Menschheit als Entwicklung des Geschlechtstriebes.](ニーチェ「力への意志」遺稿、1882 - Frühjahr 1887 ) |
芸術や美へのあこがれは、性欲動の歓喜の間接的なあこがれである[Das Verlangen nach Kunst und Schönheit ist ein indirektes Verlangen nach den Entzückungen des Geschlechtstriebes ](ニーチェ遺稿、1882 - Frühjahr 1887 ) |
すべての美は生殖を刺激する、ーーこれこそが、最も官能的なものから最も精神的なものにいたるまで、美の作用の特質である[daß alle Schönheit zur Zeugung reize - daß dies gerade das proprium ihrer Wirkung sei, vom Sinnlichsten bis hinauf ins Geistigste... ](ニーチェ「或る反時代的人間の遊撃」22節『偶像の黄昏』1888年) |