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2022年11月27日日曜日

すべてはリビドーの昇華

  蚊居肢散人はおおむねエロのことしか考えていない人間だからな、前回敢えてつけ加えなかったが、戦争の享楽は、剰余享楽じゃなくて真性の享楽に近似しているかもしれないよ。

これまでのところ、人間の最高の祝祭は生殖と死であるに違いない[So weit soll es kommen, daß die obersten Feste des Menschen die Zeugung und der Tod sind!  ](ニーチェ遺稿137番、1882 - Frühjahr 1887)



少し前示したが、「享楽は性欲動のこと」だからな。




何はともあれ、人間のすべての言説はこの性欲動の昇華だよ、戦争や芸術のようにギリギリのところでの昇華か、哲学や科学のように昇華しすぎの学問という差異はあるにしろ。



プラトンは考えた、知への愛と哲学は昇華された性欲動だと[Platon meint, die Liebe zur Erkenntniß und Philosophie sei ein sublimirter Geschlechtstrieb](ニーチェ断章 (KSA 9, 486) 1880–1882)

性欲動の発展としての同情と人類愛[Mitleid und Liebe zur Menschheit als Entwicklung des Geschlechtstriebes.](ニーチェ「力への意志」遺稿、1882 - Frühjahr 1887 )

芸術や美へのあこがれは、性欲動の歓喜の間接的なあこがれである[Das Verlangen nach Kunst und Schönheit ist ein indirektes Verlangen nach den Entzückungen des Geschlechtstriebes ](ニーチェ遺稿、1882 - Frühjahr 1887 )

すべての美は生殖を刺激する、ーーこれこそが、最も官能的なものから最も精神的なものにいたるまで、美の作用の特質である[daß alle Schönheit zur Zeugung reize - daß dies gerade das proprium ihrer Wirkung sei, vom Sinnlichsten bis hinauf ins Geistigste... ](ニーチェ「或る反時代的人間の遊撃」22節『偶像の黄昏』1888年)



蚊居肢子は最近は音楽を聴くと、これはどの性戯に相応しいかな、と思いを馳せることシキリだからな。

大学時代、バッハのBWV872がすごく好きな女友だちがいて、冒頭だけカットしたテープを永遠と繰り返すんだ、グルダのさ・・・テンポと強弱をしっかりあわせてって・・・。懐かしいねえ、自死してしまったのだけど・・・ で、アレは限りなく正しかったのが、40年かかってやっと判然としたよ。