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2023年4月30日日曜日

とっても悠長な(?)植田日銀


最近はツイッターをあまり見ていないんだがーー以前はtwilog でそれなりに見ていたがTwitter の仕様変更のせいで御釈迦になってしまってーー野口悠紀雄のタイムラインを覗くとこう言ってるね。


野口悠紀雄@yukionoguchi10  Apr 21

日本は、誤った政策によって貴重な10年間を無駄にした。いま日本は、約50年間続いた先進国の地位から滑り落ちようとしている。

#日銀の責任



新著『日銀の責任』の内容らしく、noteで少しずつ無料公開しているようだ。


『日銀の責任』低金利日本からの脱却 全文公開:第4章の4

〔・・・〕


アベノミクスで日本の地位が大きく下がった
 大規模金融緩和によってもたらされた低金利と円安というぬるま湯的環境の中で、日本企業は付加価値を増大させる努力を怠った。
 その結果が、一人当たりGDPの推移に明確に表れている(図表4─6参照)。





 図表4─6は、貴重な10年間を日本が無駄にしてしまったことを、はっきりと示している。この図こそが、大規模金融緩和の成果を最も分かりやすく示す成績表だ。
 日本が成長せず、他国が成長した結果、日本の相対的な地位は、信じられないほど低下した。2012年に、日本の一人当たりGDPは、アメリカとほとんど同じだった。そして、カナダ(図には示していない)、アメリカについで、G7で第3位だった。しかし、2022年には、日本の一人当たりGDPはアメリカの45・7%でしかない。
 2012年に日本の一人当たりGDPはドイツ、フランス(図には示していない)、イギリスより1割以上高かったが、いまは7割程度でしかない。
 2012年に日本の一人当たりGDPはイタリアより4割高かったが、いまはほとんど同じで、G7での最下位国を争っている。2012年に日本の一人当たりGDPは台湾の2・3倍だったが、2022年には追い抜かれた。韓国も、近い将来に日本を追い抜くだろう。そうなれば、図表4─6に示した国の中で、日本は最下位になる可能性が高い。

 そして、日本は先進国の地位から滑り落ちる。この状態を何とか阻止しなければならないが、そのためには、金融政策の大転換が不可欠の条件だ。
 いまや、大規模金融緩和政策の誤りは明白だ。しかし、政策転換ができれば、条件は大きく変わる。日本はまだ、回復する潜在力を持っている。金融政策の転換がその第一歩になることを望みたい。




まだ希望を持っているんだな、「金融政策の大転換」があれば復活しうると。で、日銀の新体制って期待できるんだろうか。


元日経記者の磯野さんはこう言ってるけどさ。



ーーこの意味は、内田眞一「社長」が前黒田日銀の金融緩和政策をひどく引き摺った人物だから要警戒ということだろう。

何はともあれ植田日銀体制って実に悠長なこと言ってるらしいんだよな、僕が日本に住んでたら、血圧がひどく上がって「卒倒」した筈だけど、日本に住んでるミナサンはどんな具合だい?

・・・というのは半ば冗談で、野口悠紀雄金融政策の大転換」があれば復活しうるってのはいささか甘いんじゃないかね、利上げは容易にできないんだよ、国債金利負担の急増で[参照]。

野口悠紀雄は以前は「悪夢のシナリオ」と題して実に理論的にそう言っていたのにな[参照]。具体的には、ーー《日本の財政は、これまでデフレと低金利によって利払い費を圧縮できたために、かろうじて存続しえたのだ。金利が正常な値に戻れば、利払いだけで到底持たなくなる。》(野口悠紀雄「金利が上昇すると、国債の利払い費が増加して財政は破綻する」2018/06/25)ーーだね。野口さんは1940年生まれか(最近は脳の柔軟度がテイカした記述だと感じてしまうことがあるのだが・・・)

あの植田和男ちゃんって内心オロオロしてんじゃないかね、悪夢のシナリオを「理論的に」知らなかった筈はないにしろ、それに「実践的に」ジカに遭遇して。シツレイながら最近はことさらコモノっぽい人に見えてしまうよ。