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2023年12月10日日曜日

人文学を学んできた者たちよ、きみたちはいったい何をやってんだ、この人倫の奈落に触れずに


◼️この人倫の奈落において ガザのジェノサイド

岡真理(早稲田大学文学学術院教授)「世界」2024年1月号

刊行日 2023/12/08

今、ガザで起きているのは、国連人権高等弁務官事務所のクレイグ・マカイバーをはじめ専門家が「教科書に載る典型例」と口を揃えて語る紛れもないジェノサイドだ。この出来事が私たちに知らしめたのは、二一世紀になってジェノサイドが起こるということだけではない。今日のそれはかつてのように国際社会の監視の目を逃れて、隔絶した強制収容所で実行され、やがて我々の知るところとなるのではなく、世界が注視するなか実行される。のみならず首謀者はジェノサイドの意図を隠そうともせず(ジェノサイドの認定において難しいのは、意図の証明と言われる)、政府高官が次々にそれを公言しつつなお遂行可能である。国際社会を領導する、民主主義を名乗る「西側」 世界の諸政府はその無法ぶりを非難しないどころか、積極的にこれを支持し応援さえするという事実だ。〔・・・〕

グテーレス国連事務総長が言うように、これはもはや人道危機ではない。ヒューマニティそのものの危機である。



実に「正しい」ね、この岡真理さんは。おい、人文学(ヒューマニティ学)を学んできた者たちよ、きみたちはいったい何をやってんだ、この人倫の奈落に触れずに。

きみたち自身も終わってるよ、文学、哲学、批評等を学んできた者たちが、この今、ガザの出来事に驚愕憤怒せずに他に何をするというのだ?



「地獄とは人が苦しんでいる場所のことではない。人の苦しみを誰も見ようとしない場所のことだ。」 ―マンスール・アル=ハッラージュ(岡真理『ガザに地下鉄が走る日』2018年)


沈黙はガザホロコーストに対する共犯にほかならない。




おい、どこにあるんだ、世界は?