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2024年7月11日木曜日

「米国覇権の死」を糊塗するための「第三次世界大戦」


 こうやってまとめられると、もう駄目だなという感を強くするね、



次の事実上の「第三次世界大戦図」におけるウクライナ&ロシアは、NATO &ロシアにしないとな。


日本も二戦場の後方支援国つまり米軍出撃国というわけだ。岸田政権のもと自衛隊は事実上米軍の傘下に入ってしまっており、つまりは、米国の駒?ーー、

◾️Michael Hudson on the US Economy – Surprisingly Resilient or Potemkin Village?

  07.06.2023

ーーバイデン政権に、 脱ドル化のプロセスを止めるための、直接的な軍事介入以外の手段はありますか?

Dimitri Simes Jr. : Does the Biden administration really have any instruments at its disposal other than direct military intervention to try and stop the process of de-dollarization?

マイケル・ハドソン)いいえ、 今のアメリカには軍事介入しかありません。硬直しています。アメリカは長年、 核兵器に多大な投資をしてきたため、 徴兵制を復活させ、 武装した軍隊を他国に侵攻させることはできません。 ベトナム戦争の時のように、学生の抗議が起きるからです。2015年の米国支援のクーデター後にウクライナ人がやってきているような自殺行為の戦争を、 他の国にもやらせることができない限り、 米国が本当に軍事的に戦うことができるのは核兵器だけなのです。しかし、他の国をウクライナのようなことをやらせるのは難しそうだ。 台湾人がそんなことをやりそうにない。 日本人だけがやる可能性がある。

Michael Hudson : No, that’s all that America has now. It’s muscle-bound because for years America has put all of its money into atomic war. So America can’t reintroduce a draft and have an army invading another country because you’d have student protests like you had in the Vietnam War. So all that America really has to fight with militarily is atom bombs. Unless it can get other countries to commit suicide, like the Ukrainians are doing after the American coup d’etat of 2015. But it looks like it’s going to have difficulty having other countries follow Ukraine. And I don’t see the Taiwanese doing this, only the Japanese might be willing to do this.


一縷の望みを抱かせたハンガリー首相オルバーンの頑張りがあったのだけれどな(あれはもう過去形なんだろうか)。

もはや引き返せない地点を通り越したというという他ないんだろうか?


◾️プーチン発言 於ロシア外務省指導部との会談、2024年6月14日 ソース

西側諸国の身勝手さと傲慢さが、現在の極めて危険な状態を招いた。  われわれは許容できないほど引き返せない地点まで近づいてしまった。

The selfishness and arrogance of Western states have led to the current extremely dangerous state of affairs.  We have come unacceptably close to the point of no return.

эгоизм и высокомерие западных государств привели к нынешнему крайне опасному состоянию дел. Мы подошли недопустимо близко к точке невозврата.

最大の核兵器保有国であるロシアに戦略的敗北を強いるという呼びかけは、西側諸国の政治家たちの極端な冒険主義を物語っている。彼らは自らが作り出す脅威の大きさを理解していないか、あるいは単に自らの免責と排他性を信じることに夢中になっているかのどちらかだ。このどちらも悲劇を招きかねない。

Calls to inflict a strategic defeat on Russia, which has the largest arsenal of nuclear weapons, demonstrate the extreme adventurism of Western politicians.  They either do not understand the scale of the threat that they themselves create, or are simply obsessed with the belief in their own impunity and in their own exclusivity.  Both of these can result in tragedy.

Призывы нанести стратегическое поражение России, обладающей крупнейшими арсеналами ядерного оружия, демонстрируют запредельный авантюризм западных политиков. Они либо не понимают масштабы угрозы, которую сами порождают, либо попросту одержимы верой в собственную безнаказанность и в собственную исключительность. И то, и другое может обернуться трагедией.




世界は愚かだね、そうとしか言いようがないよ。



◾️ジェフリー・サックス「米国覇権の死は平和をもたらすか、それとも第三次世界大戦をもたらすか?

Jefferey Sachs: Will the Death of U.S. Hegemony Lead to Peace―Or World War III? in an interview with Mike Billington, May 15, 2024.

米国ーー私がこの語で意味するのは、軍産複合体、つまり安全保障機構・情報機関・国防総省・軍需企業、そして議会における彼らの支持者たちからなる少数の権力者たちだが、彼らが考える米国の覇権を維持したいと考えている。〔・・・〕構造的に、米国の安全保障体制は覇権を求めて戦っており、世界大戦を引き起こす可能性がある。〔・・・〕

米国は世界を本当にはっきりと分断している。というのは「米国は我々の味方か、それとも敵か」と言っているのだから。繰り返しそう言っている。2003年以降のイラク戦争についても、今もウクライナとロシアに対する制裁についても。制裁を課すにあたっては、われわれ米国に賛成するか反対するかのどちらかなのだ。〔・・・〕

The U.S.—and by that I mean the military-industrial blob or complex, a small number of powerful people from the security establishment, the intelligence agencies, the Pentagon, the military companies, and their supporters in Congress—wants to preserve American hegemony as they see it.[...]Structurally, the U.S. security establishment is fighting for its hegemony and it could end up creating a world war.[...]

The U.S. really has starkly divided the world, because the U.S. has said, 'You’re with us or you’re against us.' It said that repeatedly. It said that with regard to the Iraq war in 2003 and onward, and it says it now with regard to Ukraine and the sanctions against Russia.

You’re either with us applying these sanctions or you’re against us.[...]

ヨーロッパ、ーー私を失望させるが、独立した主体になる能力を持っているヨーロッパは、現在、ほぼ完全に米国陣営に陥っている。


より良く知っているべき国々、そしてより良く知っているべき欧州連合は、まるで米国に完全に依存しているかのように振舞っている。

そして欧州連合は、経済と政治の連合であるEUと、米国主導の軍事同盟であるNATOをもはや区別していない。

恥ずべきだが真実なのだ、EUの首都とNATOの首都はどちらもブリュッセルにあり、同じ都市にあり、事実上同じものである。

Europe, to my disappointment, which has the capacity to be an independent actor, has for the moment fallen almost entirely into the U.S. camp.


Countries that should know better, and a European Union that should know better, act almost as if it’s simply a complete dependency on the U.S.


And the European Union no longer distinguishes between the EU, which is an economic and political union, and NATO, which is a U.S. led military alliance.


It’s a shame, but true, that the capital of the EU and the capital of NATO are both in Brussels, in the same city, and effectively the same thing right now.

したがって、世界が分裂すると、米国とヨーロッパ、そしてアジアのいくつかの同盟国、重要な国々、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールが事実上そのグループに入る。


そして、世界の残りのほとんどの国は、厳密には反米ではないが、「やめろ、世界を分裂させるのをやめろ、冷戦を作るのをやめろ、軍事拡張主義をやめろ、政権交代作戦をやめろ、その他すべてをやめろ。ただ仲良くしろ」と言っている。

それは世界の大多数、つまり150か国ほどだと思う。


欧州連合には 27 か国あり、米国、 それに非 EU 諸国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどを加えると、おそらく 40 か国ほどが「米国陣営」にいることになる。


危険で、悲しく、馬鹿げた振る舞いだ、「我々はナンバーワンだ。そして、もし我々が全てにとってナンバーワンになれないなら、40 か国ほどのグループの中でナンバーワンになって、世界を分断する」というのは。これは米国人にとって、世界にとっても、ひどい取引だ。それが今の状況だ。

So when the world divides—you have the U.S. and Europe and a few allies in Asia, important countries, Japan, Korea, Australia, New Zealand, Singapore, effectively in that group.


And then you have most of the rest of the world, not per se against the U.S., but saying, 'Stop it, stop dividing the world, stop creating Cold War, stop your military expansionism, stop your regime change operations and all the rest. Just get along.'


That’s the vast majority of the world, I would say, 150 countries or so.


There are 27 in the European Union, plus the United States, plus the handful of non-EU countries, Britain, Canada, Australia, New Zealand and so forth, coming up to probably about 40 countries in the 'U.S. camp.'


It’s a dangerous, sad, ridiculous way to behave that 'we’re number one. And if we can’t be number one for everybody, we’ll be number one in our group,' among the 40 or so, 'and we’ll divide the world.'


It’s a lousy bargain for Americans. It’s a lousy bargain for the world. It’s pretty much where we are right now.




ここでジェフリー・サックスの言っている「米国とその愚かな同盟国」とはロシアのインテリたちがしばしば使う言い方なら集団的西側[коллективного Запада]だ。

ロシア人が「集団的西側」と呼ぶものは、一種の多元主義的帝国システムであり、ヨーロッパは単なる属国にすぎないということだ[Ce qu'ils (Les Russes) appellent « Occident collectif », au sein duquel les Européens ne sont que des vassaux, est un genre de système impérial pluraliste.」(エマニュエル・トッド『西洋の敗北』Emmanuel Todd, La Défaite de l'Occident, 2024)


もっとも愚かな同盟国には日本や韓国なども含まれるわけだが。



このサックスの云う「安全保障機構・情報機関・国防総省・軍需企業、そして議会における彼らの支持者たちからなる少数の権力者たちとしての軍産複合体」という集団的西側は、ディープステート、ネオコンと言い換えてもよい。


◾️マイケル・ハドソン「ドル覇権の愚かな運命」

The Dumb Luck of Dollar Hegemony, Michael Hudson, November 26, 2023

歴史家は、バイデンはおそらく現代史上最悪の大統領であり、オバマよりもひどいと言うだろう。 しかし実際はバイデンの問題ではない。というのも、バイデンは、彼の背後にいるディープステート全体のフロントマン、ネオコン・グループ全体のフロントマンに過ぎないからだ。そのまさにネオコンのメンタリティが、好戦的な金融資本主義の最後のあがきであり、米国全体の計画を自己破壊させるものだ。 ロシアや他の国々を切り刻み、分割し、征服する代わりに、彼らはロシアではなくアメリカを孤立させた。 ドル圏とともにヨーロッパを孤立させた。 そして、世界の他の国々全体を統合し、彼らには全く異なる方向にある共通の未来があることを悟らせたのだ。

I think historians will say, well, Biden has been probably the worst president in modern history, even worse than Obama. But it really isn’t Biden because Biden is just a front man for the whole deep state, for the whole neocon group behind him. And it’s really the neocon mentality, the sort of the last gasp of militant finance capitalism that is self-destructive of this whole American plan. And instead of cutting up, dividing and conquering Russia and other countries, they’ve isolated the United States, not Russia. They’ve isolated Europe along with the US dollar area. And they’ve integrated the whole rest of the world realizing they have a common future that lies in quite a different direction.


◾️マイケル・ハドソン「金融資本主義の自己破壊的性質」

Finance Capitalism's Self-Destructive Nature By Michael Hudson  July 18, 2022

金融資本主義とは、上位1%に属する人がいかにしてタダ飯を手に入れるかということだ。

finance capitalism is all about how to get a free lunch if you're a member of the one percent.


※なおハドソンは「金融資本は自己破壊的」という表現をしばしば使っているが、フロイトにおいて自己破壊欲動は死の欲動である、《我々が、欲動において自己破壊を認めるなら、この自己破壊欲動を死の欲動の顕れと見なしうる。それはどんな生の過程からも見逃しえない[Erkennen wir in diesem Trieb die Selbstdestruktion unserer Annahme wieder, so dürfen wir diese als Ausdruck eines Todestriebes erfassen, der in keinem Lebensprozeß vermißt werden kann.]》 (フロイト『新精神分析入門』32講「不安と欲動生活 Angst und Triebleben」1933年)



金融資本主義と軍産複合体の結婚ってのはどうしようもないよ、今まで何度も繰り返しきたが、ーー《利子生み資本全般はすべての狂気の形式の母である[Das zinstragende Kapital überhaupt die Mutter aller verrückten Formen]》 (マルクス『資本論』第3巻第24節)。これは簡単に言えば、金融資本は狂気の母だ、現在ならブラックロックに代表される狂気。





※このマルクスの言説図はラカンの資本の言説図をマルクス用語に置き換えただけである。



そしてラカンは資本の言説の時代の主人はマネーだと言っている[参照]。さらに剰余享楽は剰余価値と等価である、ーー
剰余価値、それはマルクス的快、マルクスの剰余享楽である[ La Mehrwert, c'est la Marxlust, le plus-de-jouir de Marx. ]》Lacan, Radiophonie, AE434, 1970


以下マルクスから直接掲げよう。


この運動の意識ある担い手として、貨幣所有者は資本家になる。彼の一身、またはむしろ彼のポケットは、貨幣の出発点であり帰着点である。あの流通の客観的内容─価値の増殖─が彼の主観的目的なのであって、ただ抽象的な富をますます多く取得することが彼の操作の唯一の起動的動機であるかぎりでのみ、彼は資本家として、または人格化され意志と意識とを与えられた資本として機能するのである。

Als bewußter Träger dieser Bewegung wird der Geldbesitzer Kapitalist. Seine Person, oder vielmehr seine Tasche, ist der Ausgangspunkt und der Rückkehrpunkt des Geldes. Der objektive Inhalt jener Zirkulation - die Verwertung des Werts - ist sein subjektiver Zweck, und nur soweit wachsende Aneignung des abstrakten Reichtums das allein treibende Motiv   seiner Operationen, funktioniert er als Kapitalist oder personifiziertes, mit Willen und Bewußtsein begabtes Kapital. (マルクス『資本論』第一巻第二篇第四章第一節)

・・・この過程の全形態は、G - W - G' である。G' = G +⊿G であり、最初の額が増大したもの、増加分が加算されたものである。この、最初の価値を越える、増加分または過剰分を、私は"剰余価値"と呼ぶ。この独特な経過で増大した価値は、流通内において、存続するばかりでなく、その価値を変貌させ、剰余価値または自己増殖を加える。この運動こそ、貨幣の資本への変換である。

Die vollständige Form dieses Prozesses ist daher G - W - G', wo G' = G+G, d.h. gleich der ursprünglich vorgeschossenen Geldsumme plus einem Inkrement. Dieses Inkrement oder den Überschuß über den ursprünglichen Wert nenne ich - Mehrwert (surplus value). Der ursprünglich vorgeschoßne Wert erhält sich daher nicht nur in der Zirkulation, sondern in ihr verändert er seine Wertgröße, setzt einen Mehrwert zu oder verwertet sich. Und diese Bewegung verwandelt ihn in Kapital. (マルクス『資本論』第一篇第二章第一節「資本の一般的形態 Die allgemeine Formel des Kapitals」)




そして金融資本の究極的な形態は上にあるG - W - G' ではなくG - G'である。


貨幣-貨幣‘ [G - G']・・・この定式自体、貨幣は貨幣として費やされるのではなく、単に前に進む、つまり資本の貨幣形態貨幣資本に過ぎないという事実を表現している。この定式はさらに、運動を規定する自己目的が使用価値でなく、交換価値であることを表現している。 価値の貨幣姿態が価値の独立の手でつかめる現象形態であるからこそ、現実の貨幣を出発点とし終結点とする流通形態 G ... G' は、金儲けを、資本主義的生産の推進的動機を、最もはっきりと表現しているのである。生産過程は金儲けのための不可避の中間項として、必要悪としてあらわれるにすぎないのだ。 〔だから資本主義的生産様式のもとにあるすべての国民は、生産過程の媒介なしで金儲けをしようとする妄想に、周期的におそわれるのだ。〕

G - G' (…) Die Formel selbst drückt aus, daß das Geld hier nicht als Geld verausgabt, sondern nur vorgeschossen wird, also nur Geldform des Kapitals, Geldkapital ist. Sie drückt ferner aus, daß der Tauschwert, nicht der Gebrauchswert, der bestimmende Selbstzweck der Bewegung ist. Eben weil die Geldgestalt des Werts seine selbständige, handgreifliche Erscheinungsform ist, drückt die Zirkulationsform G ... G', deren Ausgangspunkt und Schlußpunkt wirkliches Geld, das Geldmachen, das treibende Motiv der kapitalistischen Produktion, am handgreiflichsten aus. Der Produktionsprozeß erscheint nur als unvermeidliches Mittelglied, als notwendiges Übel zum Behuf des Geldmachens. (Alle Nationen kapitalistischer Produktionsweise werden daher periodisch von einem Schwindel ergriffen, worin sie ohne Vermittlung des Produktionsprozesses das Geldmachen vollziehen wollen.)

(マルクス『資本論』第二巻第一篇第一章第四節)


ーーこの生産課程なしの金儲け妄想が先に示した狂気の母の内実である。




マルクス主義者マイケル・ハドソンは、ガザジェノサイドは世界大戦の序章に過ぎないと昨年の11月時点で言ってる。


◾️『なぜ米国はイスラエルを支持するのか?経済学者マイケル・ハドソンによる地政学的分析』

Why does the US support Israel? A geopolitical analysis with economist Michael Hudson 2023/11/12

ベン・ノートン:イスラエルが明らかに戦争犯罪を犯しているにもかかわらず、なぜ米国はイスラエルを支援するために多くの資源を投入しているのか、あなたの分析を聞かせてもらえないでしょうか。


マイケル・ハドソン :まあ、確かにイスラエルを支援していますが、これは利他的な行為だからイスラエルを支援しているわけではありません。


アメリカにとって、イスラエルは近東における陸揚げ空母です。イスラエルは、アメリカが近東を支配するための離陸地点なのです。

So I am wondering if you could provide your analysis of why you think the U.S. is investing so many resources in supporting Israel while it is clearly committing war crimes.


MICHAEL HUDSON: Well, certainly it is supporting Israel, but it’s not supporting Israel because this is an altruistic act.

To the United States, Israel is its landed aircraft carrier in the Near East. Israel is the takeoff point for America to control the Near East.〔・・・〕

アメリカからすれば、イスラエルがアメリカの尻尾を振っているのではなく、その逆なのです。あなたはアメリカがイスラエルを支援していると言いました。私は、アメリカがイスラエルを支持しているとはまったく思いませんし、ほとんどのイスラエル人も、ほとんどの民主党議員もそう思っていません。


アメリカはネタニヤフ首相を支持しています。イスラエルではなくリクードを支持しているのです。イスラエル人の大多数は、イスラエル建国以来の中心的人口である非宗教的イスラエル人は、リクードとその政策に反対しています。

つまり、アメリカにとってネタニヤフ首相は、ウクライナにおけるゼレンスキーのイスラエル版なのです。


そして、ネタニヤフ首相のような不愉快で、日和見主義者で、賄賂と汚職で起訴されている人物がいることの利点は、ガザで起きている攻撃に驚愕している全世界の注目が、アメリカを非難しないことです。

彼らはイスラエルを非難しています。ネタニヤフ首相やイスラエルを非難していますが、爆弾や銃を次から次へと飛行機で送り込んでいるのはアメリカです。アメリカでは販売が禁止されている22,000丁の機関銃や自動小銃が、ヨルダン川西岸で入植者が使うためにアメリカから送られているのです。

良い警官と悪い警官という見せかけがあるのです。

So from the United States, it’s not Israel’s wagging the American tail, just the opposite. You mentioned that America is supporting Israel. I don’t think America is supporting Israel at all, nor do most Israelis, nor do most Democrats.

America is supporting Netanyahu. It’s supporting Likud, not Israel. The majority of Israelis, certainly the non-religious Israelis, the core population of Israel since its founding, is opposing Likud and its policies.

And so what really is happening is that to the United States, Netanyahu is the Israeli version of Zelensky in the Ukraine.

And the advantage of having such an unpleasant, opportunist, and corrupt person as Netanyahu, who is under indictment for his bribery and corruption, is precisely that all of the attention now of the whole world that is so appalled by the attacks going on in Gaza, they’re not blaming the United States.

They’re blaming Israel. They’re blaming Netanyahu and Israel for it, when it’s the United States that has been sending plane load after plane load of bombs, of guns. There are 22,000 machine guns, automatic guns, that are banned for sale in the United States that America is sending for the settlers to use on the West Bank.

So there’s a pretense of good cop, bad cop.〔・・・〕

さて、米国の外交官にとって、あなたがイスラエル支援と呼ぶものは、実際には、近東の他の地域を軍事的に支配する米国の能力を支援するものです。


すべては石油のためです。アメリカはイスラエルを愛しているからイスラエルに資金を提供しているのではなく、イスラエルはアメリカがシリア、イラク、イラン、レバノンを攻撃するための軍事拠点だからです。つまり軍事拠点なのです。

もちろん、親イスラエル、親ユダヤ政策という枠にはめ込むこともできますが、それは国務省の広報のためだけです。


アメリカの戦略が近東におけるエネルギーに基づいているとすれば、イスラエルはそのための手段にすぎない。目的そのものではありません。だからこそ、アメリカは攻撃的なイスラエル政府を持つ必要があったのです。


ネタニヤフ首相は、ある意味でアメリカの操り人形であり、ゼレンスキー首相とよく似ていると見ることができます。彼らの立場は、自国民の大多数に対してアメリカに依存しているという点では同じです。

だから、あなたはアメリカのイスラエル支援について話し続けています。まったくイスラエルを支持していません。大多数のイスラエル人を拒絶しています。イスラエル軍を支援しているのであって、イスラエルの社会や文化を支援しているわけではありません。 これは純粋な軍事政治であり、私はいつも軍関係者や国家安全保障関係者の間でこのように議論されているのを耳にしてきました。


だから、カバーストーリーに乗せられないように注意したい。


Well, to U.S. diplomats, what you call the support of Israel is really the support of the U.S.’ ability to militarily control the rest of the Near East.

It’s all about oil. America is not giving all this money to Israel because it loves Israel, but because Israel is the military base from which the United States can attack Syria, Iraq, and Iran and Lebanon. So it’s a military base.

And of course, it can frame this in terms of pro-Israeli, pro-Jewish policy, but this is only for the public relations view of the State Department.

If American strategy is based on energy in the Near East, then Israel is only a means to this end. It’s not the end itself. And that’s why the United States needed to have an aggressive Israeli government.

You can look at Netanyahu as being, in a way, a U.S. puppet, very much like Zelensky. Their positions are identical in their reliance on the United States against the majority of their own people.

So you keep talking about America’s support of Israel. It’s not supporting Israel at all. It rejects the majority of Israelis. It supports the Israeli military, not the Israeli society or the culture, have nothing to do with Judaism at all. This is pure military politics, and that’s how I’ve always heard it discussed among the military and national security people.

So you want to be careful not to be taken in by the cover story.〔・・・〕

米国の計画には、インド、サウジアラビア、そしてトルコというワイルドカードがあります。トルコもこの石油とガスに関心を持っているからです。 もしイスラム諸国が、自分たちは本当に攻撃を受けている、キリスト教国である欧米によるイスラムへの攻撃は本当に死闘だと判断すれば、トルコはサウジアラビアや他のすべての国、シーア派、スンニ派、アラウィ派と一緒になって、私たちの共通点はイスラム教だと言うでしょう。


それは本質的に、アメリカの中国やロシアに対する戦いの延長線上にあります。


つまり、私たちが目にしているのは、ウクライナ人最後の一人までロシアと戦い、イスラエル人最後の一人までイランと戦うという脅しなのです。米国は台湾に武器を送り、中国に対して最後の台湾人まで戦いたくないか、と言おうとしています。そして、それが世界中で行われている米国の戦略なのです。


自国の支配のために他国を煽って戦争をさせようとしているのです。ローマはそうやってノルマン軍を使って南イタリア、イギリス、ユーゴスラビアを征服しました。


イスラエル、そしてガザでの全攻撃をめぐってニュースになっていることは、サラエボでの銃撃戦が第一次世界大戦の始まりであり、セルビアでの銃撃戦がすべての始まりであったように、この戦争の序章、引き金にすぎません。

So you’re having the wild cards in the U.S. plan, India, Saudi Arabia, what will it do, and Turkey, because Turkey also has an interest in this oil and gas. And if the Islamic countries decide that they’re really under attack, and this attack by the Christian West against Islam is really a fight to the death, then Turkey will join with Saudi Arabia and with all of the other countries, the Shiites, and the Sunnis, and the Alawites will join together and say, what we have in common is the Islamic religion.

That is really going to be essentially the extension of America’s fight against China and Russia.

So what we’re seeing, I’m going to try to summarize now, what we’re really seeing is having fought Russia to the last Ukrainian, and threatening to fight Iran to the last Israeli. The United States is trying to send arms to Taiwan to say, wouldn’t you like to fight to the last Taiwanese against China? And that’s really the U.S. strategy all over the world.


It’s trying to fuel other countries to fight wars for its own control. That’s how Rome used the Norman armies to conquer southern Italy, England, and Yugoslavia.

Israel, and what is in the news over the whole attacks in Gaza, is only the opening stage, the trigger for this war, just as the shooting in Sarajevo started World War I in Serbia started everything.



このハドソンの云う戦争の序章が、このいま「本章」に入りつつあるのである。これが先のプーチンの《許容できないほどの引き返せない地点》の厳密な含意にほかならない。


……………


※附記




資本は自己増殖するかぎりで資本である。それは人間的「担い手」が誰であろうと、彼らがどう考えようと、貫徹されなければならない。それは個々人の欲望や意志とは関係がない。


注)マルクスが資本家を「資本」の人格的担い手として見たことは、株式会社が一般化する時期において、より重要である。そこでは、資本と経営、資本家(株主)と経営者の分離が生じる。その結果、経営者は自らをたんに複雑な仕事をする労働者と見なすようになる。 しかし、「主観的」にどう考えていようと、彼らは資本の自己増殖のために活動せねばならず、さもなければ解雇されるだろう。それはまた、「主観的」には利潤や搾取を否定している「社会主義国家」 の党官僚についてもあてはまる。(柄谷行人『トランスクリティーク』第二部・第2章 2001年)