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2025年1月5日日曜日

大嘘常習犯の主流メディア効果

 

ははあ、今回はNHKでさえ「正しい」情報を流しているのに、朝日新聞はまたまた大嘘か。


ジェフリー・サックスは正しく指摘してるがね




彼はもはや口癖のように連発してるね、この「嘘」という語を。



◼️ジェフリー・サックス「イラクからウクライナまで、超党派の戦争支援が米国の債務危機を助長している」 2023年5月24日

Jeffrey Sachs: Bipartisan Support of War, from Iraq to Ukraine, Is Helping Fuel U.S. Debt Crisis MAY 24, 2023

ジェフリー・サックス:これらは、私が先に述べたような選択の戦争だけではない。これらの戦争は嘘の戦争であり、私たちはこれらの戦いが何についてのものなのか、なぜ私たちがそれをやっているのか、真実を聞かされてこなかったからです。もちろん、イラク戦争が完全にインチキだったことは有名だが、それだけではない。すべてがに基づいている。


ウクライナに関して言えば、NATOをウクライナまで拡大しようという軍産複合体による圧力が続けば戦争になると、私たちは知っていたし、外交官たちも警告していた。しかし、そのことをアメリカ国民に伝えることはなかった。説明もしなかった。そして今日に至るまで、彼らはこの戦争が本当は何なのかを説明していない。


リビアについて考えてみよう。またしてもだ。説明もない。国連安全保障理事会違反だ。シリアについて考えてみよう。シリアの取り組み全体が米国の嘘であっただけでなく、オバマ大統領がCIAに命じてシリア政府を転覆させた作戦であったことすら、アメリカ国民には説明されていない。それは失敗したが、非常に高価で破壊的だった。


つまり、これらは選択の戦争であり、の戦争なのだ。軍産複合体が後押ししている。両党のネオコンたちによって推進されている。ウクライナだけでなく、今度は中国との戦争だ。想像を絶する。世界が終わるかもしれない。しかし、これがワシントンで大人の議論とされるものにおける普通の言説であり、私の考えでは、まったく大人ではない。

JEFFREY SACHS: These are not only wars of choice, the ones that I mentioned. They are wars of lies, because we’ve never been told the truth about what these fights are about, why we’re doing it. Of course, Iraq famously was on completely phony pretenses, but that’s not the only one. All of them have been based on lies.

When it comes to Ukraine, we knew — our diplomats knew and warned that the continued pressure by the military-industrial complex to expand NATO to Ukraine would provoke war. But they never told the American people that. They never explained it. And 'til this day they haven't explained what this war is really about.

You think about Libya. Again, lies. No explanation. Violation of the U.N. Security Council. You think about Syria. Not only was the whole Syrian effort a lie of the United States, it’s never even been explained to the American people that this was an operation that President Obama ordered the CIA to overthrow the Syrian government. It failed, but it was extremely costly and destructive.

So, these have been wars of choice and wars of lies. They are pushed by the military-industrial complex. They are pushed by neoconservatives in both parties. Now we have new drumbeats of war, not only — as if Ukraine was not devastating and threatening enough with nuclear annihilation, now we’re talking war with China. Unimaginable. It could end the world. And yet this is normal discourse in what passes for grown-up discussion in Washington, which is not grown-up at all, in my opinion.




◼️アジア太平洋NATO:戦争の炎をあおる ジェフリー・サックス 2023年7月10日

An Asia-Pacific NATO: Fanning the Flames of War   Jeffrey Sachs July 10, 2023

世界は狂ってしまったが、特にアングロ・サクソンの世界が心配だ。〔・・・〕

今、私たちの国の政治には、深く落胆させられるものがある。その深い狂気とは、米国に引き継がれた大英帝国の思考だと思う。私の国、アメリカは、20年前、30年前と比べても、いまや見分けがつかない。実のところ、誰がこの国を動かしているのかよくわからない。今のアメリカ大統領がそうだとは思えない。私たちは将軍たちによって、安全保障機構によって運営されている。国民には何も知らされない。外交政策について語られるは、もうほとんど聞くことも読むこともできない主流メディアによって毎日、蔓延している。『ニューヨーク・タイムズ』、『ワシントン・ポスト』、『ウォール・ストリート・ジャーナル』、そして主要テレビ局は、日ごとに政府のプロパガンダを100%繰り返しており、それを打破することはほとんど不可能だ。

The world has gone mad but especially the Anglo-Saxon world, I'm afraid.(…) 

There's something profoundly disheartening about the politics of our countries right now. The deep madness, I'm afraid, is British Imperial thinking that has been taken over by the United States. My country, the U.S., is unrecognizable now compared even to 20 or 30 years ago. I'm not sure, to tell you the truth, who runs the country. I do not believe it is the president of the United States right now. We are run by generals, by our security establishment. The public is privy to nothing. The lies that are told about foreign policy are daily and pervasive by a mainstream media that I can barely listen to or read anymore. The New York Times, Washington Post, Wall Street Journal and the main television outlets are 100 per cent repeating government propaganda by the day, and it's almost impossible to break through.〔・・・〕

軍産複合体とその企業ロビーは、私が教えている東海岸の大学を乗っ取っている。私はハーバード大学で20年以上教え、現在はコロンビア大学で教えている。大学における情報機関の影響力は、私の経験では前例がない。  これらはすべて、あまり世間に知られることなく、ほとんどサイレント・クーデターのように起こっている。  議論もなく、公の政治もなく、正直さもなく、文書も公開されていない。すべてが秘密であり、機密であり、少しミステリアスである。  私はたまたま世界中の国家元首や閣僚と関わる経済学者であるため、公式の「物語」や蔓延するを突き通すのに役立つ多くのことを聞き、多くのことを目にしている。

The military industrial complex and its corporate lobby have taken over the East Coast universities where I teach. I taught at Harvard for more than 20 years, and now I teach at Columbia University. The influence of the intelligence agencies on the campuses is unprecedented, in my experience.  All of this has happened without much public notice, almost a silent coup.  There is no debate, no public politics, no honesty, no documents revealed. Everything is secret, confidential and a bit mysterious.  Since I happen to be an economist who engages with the heads of state and ministers around the world, I hear a lot of things and see a lot of things that help me to pierce through the official “narratives” and pervasive lies.



嘘といえば、ウクライナ紛争後、とくにブチャ事件をめぐる西側メディアや国際政治学者などによる大嘘の跳梁跋扈以後、何度も掲げている小林秀雄の名文がある。再掲しとこう。



……ヒットラーにとっては、世界観は大衆支配の有力な一手段であり、もっとはっきり言えば、高級化された一種の暴力なのである。暴力を世界観という形に高級化する事を怠ると、暴力は防禦力ばかりで、攻撃力を失う、と彼は明言している。 もっとはっきり、彼は世界観を美辞と言わずに大きな嘘と呼ぶ。大衆はみんな嘘つきだ。が、小さな嘘しかつけないから、お互いに小さな嘘には警戒心が強いだけだ。大きな嘘となれば、これは別問題だ。彼等には恥かしくて、とてもつく勇気のないような大嘘を、彼等が真に受けるのは、極く自然な道理である。大政治家の狙いは其処にある。そして、彼はこう附言している 。たとえ嘘だとばれたとしても、それは人々の心に必ず強い印象を残す。 嘘だったという事よりも、この残された強い痕跡の方が余程大事である、と。

大衆が、信じられぬほどの健忘症であることも忘れてはならない。プロパガンダというものは、何度も何度も繰り返さねばならぬ。それも、紋切型の文句で、耳にたこが出来るほど言わねばならぬ。但し、大衆の目を、特定の敵に集中させて置いての上でだ。


 これには忍耐が要るが、大衆は、彼が忍耐しているとは受け取らぬ。そこに敵に対して一歩も譲らぬ不屈の精神を読みとってくれる。紋切型を嫌い、新奇を追うのは、知識階級のロマンチックな趣味を出ない。彼らは論戦を好むが、戦術を知らない。論戦に勝つには、一方的な主張の正しさばかりを論じ通す事だ。これは鉄則である。押しまくられた連中は、必ず自分等の論理は薄弱ではなかったか、と思いたがるものだ。討論に、唯一の理性などという無用なものを持ち出してみよう。討論には果てしがない事が直ぐわかるだろう。だから、人々は、合議し、会議し、投票し、多数決という人間の意志を欠いた反故を得ているのだ。


ヒットラーの心理学に、何もあきれる事はないのだ。現代の無意識心理学も似たような事をやっていないと誰に言えるだろう。大事な点は、ヒットラーが、無意識界の合理的解釈などを自慢している思い上った心理学者ではなかったところにある。「マイン・カンプ」に散在するこれらの言葉のうちで、著者によって強行され、大衆のうちに実証されなかった言葉は一つもない。「マイン・カンプ」が出版された時、教養ある人々は、そこに怪しげな逆説を読んだに過ぎなかった。暴力団の団長に、常軌を逸した風来坊の姿を見て、これを侮蔑した。が、相手の、比較を絶した、大きな侮蔑の力を計る事は出来なかった。ヒットラーは、一切の教養に信を置かなかった。一切の教養は見せかけであり、それはさまざまな真理を語るような振りをしているが、実はさまざまな自負と欲念を語っているに過ぎないと確信していた。

〔・・・〕

専門的政治家達は、準備時代のヒットラーを、無智なプロパガンディストと見なして、高を括っていた。言ってみれば、彼等に無智と映ったものこそ、実はヒットラーの確信そのものであった。少くとも彼等は、プロパガンダのヒットラー的な意味を間違えていた。彼はプロパガンダを、単に政治の一手段と解したのではなかった。彼には、言葉の意味などというものが、全く興味がなかったのである。プロパガンダの力としてしか、凡そ言葉というものを信用しなかった。これは殆ど信じ難い事だが、私はそう信じている。あの数々の残虐が信じ難い光景なら、これを積極的に是認した人間の心性の構造が、信じ難いのは当り前の事だと考えている。彼は、死んでも嘘ばかりついてやると固く決意し、これを実行した男だ。つまり、通常の政治家には、思いも及ぬ完全な意味で、プロパガンダを遂行した男だ。だが、これは、人間は獣物だという彼の人性原理からの当然な帰結ではあるまいか。 人間は獣物だぐらいの意見なら、誰でも持っているが、彼は実行を離れた単なる意見など抱いていたのではない。……

(小林秀雄「ヒットラーと悪魔」1960年)



《たとえ嘘だとばれたとしても、それは人々の心に必ず強い印象を残す。 嘘だったという事よりも、この残された強い痕跡の方が余程大事である》ってのをやり続けているんだよ、現在の西側主流メディアは。で、日本だったらその代表格が朝日新聞ってことになるんだろうよ。


で、今後もキミたちはアメリカそして西側メディアによって「思いのままに動かされる操り人形」であり続けたいのかい?



現在でもウクライナへのロシア侵攻をめぐる西側プロパガンダにうっかり嵌ってしまったインテリたちが、自らのあやまちを隠そうと繰り言を反復してるがね、


あらゆるかくしごとのなかで、一番危険をはらんでいるのは、あやまちを犯した当人が、頭のなかで、そのあやまちをかくそうとする作為である。当人の頭にそのあやまちがつねにこびりついていることは、そのあやまちが世間一般にどれだけ知れれていないか、またある完全なうそがどれだけ安易に信じられるかを、当人に推察できなくさせるとともに、他面で、大した危険はないと見くびってしゃべる言葉のなかに、どの程度まで真相をもらす告白が食いこみはじめるかをも、当人に理解できなくさせるのである。


le plus dangereux de tous les recels, c'est celui de la faute elle-même dans l'esprit du coupable. La connaissance permanente qu'il a d'elle l'empêche de supposer combien généralement elle est ignorée, combien un mensonge complet serait aisément cru, et, en revanche, de se rendre compte à quel degré de vérité commence pour les autres, dans des paroles qu'il croit innocentes, l'aveu.

(プルースト『ソドムとゴモラ』)