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2025年2月22日土曜日

キミたちは財政的幼児虐待者にほかならない

 

財政的幼児虐待[Fiscal Child Abuse]というボストン大学経済学教授ローレンス・コトリコフ Laurence Kotlikoff の造語がある。日本でも経済学者たちを中心にしばしば使われ、現在では一般の辞典にもその定義がある。


財政的幼児虐待:現在の世代が社会保障収支の不均衡などを解消せず、多額の公的債務を累積させて将来の世代に重い経済的負担を強いること。(大辞泉)


「大衆に根ざした、庶民のための」政治を志向するポピュリストたちはこの「財政的幼児虐待」をやってきたんだよ、より具体的には▶︎「財政的幼児虐待」、あるいは「未来の他者への虐待」」を参照。


ポピュリスト政治家応援団のキミたちもこの「未来の他者への虐待」をやってるんだ、知らない間にね。この「他者」は自らの10年後、20年後も含まれる。庶民のための正義のつもりの行為が、自らの10年後の首を締めているんだ。いや、この今のキミたちこそ既に20年前の財政的幼児虐待の結果だよ、視野の幅が極端に狭い正義感の表出の帰結だ。


一般に「正義われにあり」とか「自分こそ」という気がするときは、一歩下がって考えなお してみてからでも遅くない。そういうときは視野の幅が狭くなっていることが多い。 (中井久夫『看護のための精神医学』2004年 )


要するにある程度の財政的知がないと、《表面的な、利用されやすい庶民的正義感のはけ口に終わる》(中井久夫「トラウマとその治療経験」2000年)ほかない。だから少しは勉強することだな。


手始めに、財務省による直近の「財政関係パンフレット・教材」(2024年版)を眺めてみることだな、中学生向け、高校生向け、専門家向けと種々ある。こんなの洗脳教材だ、と言いたい人も多いだろうが、まずはそういった先入観に囚われず、財務省が何を言いたいのかを中学生レベルから勉強してみることだよ。そうしたら前回示したような衆愚向けデマゴーグ政治家が「財政的幼児虐待者」であることが即座にわかる筈だ。もちろん、知的小学生に留まりたい人には無理だろうがね。