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2025年5月20日火曜日

減税ファシズムをなんとかしろよ


 巧いこと言ってる人がいるな、「減税ファシズム」と。



前回記したプーチンとトランプのネオナチの話はどうでもいいから(あれは事実上解決不能なことが電話会談後、歴然としたんじゃないかね)、この際、減税ファシズムをなんとかしろよ。


少し前大衆は常に減税バラマキを求めるものだし、「減税」と言ったら目立つ消費税が標的になるのもいつものこと」で記したが、ほっておくととんでもないインフレ税の世界が来るぜ、間違いなく。




こういう意見もあるがな


ま、連中は無知を自覚しないだろうから、もはや「身をもって経験するしかない」だろうがね


僕もホンネのところでは諦めているから、「減税ファシズムをなんとかしろよ」というのはいささかレトリックの気味合いがあるが、ひょっとして謙虚に無知であることを自覚しているのかもしれないある種の層への励ましの言葉だよ。

………………


冒頭に掲げた泉房穂のたぐいの言説ーーま、山本太郎が元祖の「減税ポピュリスト」だろうがねーー、これについて「ポピュリズムを踏み越えてファシズムを到来させる道筋」とあるが、ファシズムは原義としては「束になる」ということだから、民主主義自体がファシズムかもしれないがね。


ナチスの理論家となったカール・シュミットは、それ以前から、民主主義と自由主義は対立する概念だといっている (『現代議会主義の精神史的地位』)。民主主義とは、国家(共同体)の民族的同質性を目指すものであり、異質なものを排除する。ここでは、個々人は共同体に内属している。したがって、民主主義は全体主義と矛盾しない。ファシズムや共産主義の体制は民主主義的なのである。


それに対して、自由主義は同質的でない個々人に立脚する。それは個人主義であり、その個人が外国人であろうとかまわない。表現の自由と権力の分散がここでは何よりも大切である。議会制は実は自由主義に根ざしている。〔・・・〕

自由主義と民主主義の対立とは、結局個人と国家あるいは共同体との対立にほかならない。(柄谷行人「歴史の終焉について」1990年『終焉をめぐって』所収)


つまり山本太郎も泉房穂も典型的な民主主義者かもよ。ーー《民主とは「根拠の乏しい臆説にほかならぬオピニオンをまとめたものによって右往左往させられるオクロス(衆愚)の政治」のことだととっくに判明している。》(西部邁「公共的実践の本源的課題」実践政策学・創刊号(第 1 巻 1 号)2015年


ボルシェヴィズムとファシズムとは、他のすべての独裁制と同様に、反自由主義的であるが、しかし、必ずしも反民主主義的ではない。民主主義の歴史には多くの独裁制があった[Bolschewismus und Fascismus dagegen sind wie jede Diktatur zwar antiliberal, aber nicht notwendig antidemokratisch. In der Geschichte der Demokratie gibt es manche Diktaturen](カール・シュミット『現代議会主義の精神史的地位』1923年版)

民主主義に属しているものは、必然的に、まず第ーには同質性であり、第二にはーー必要な場合には-ー異質なものの排除または殲滅である。[…]民主主義が政治上どのような力をふるうかは、それが異質な者や平等でない者、即ち同質性を脅かす者を排除したり、隔離したりすることができることのうちに示されている。Zur Demokratie gehört also notwendig erstens Homogenität und zweitens - nötigenfalls -die Ausscheidung oder Vernichtung des Heterogenen.[…]  Die politische Kraft einer Demokratie zeigt sich darin, daß sie das Fremde und Ungleiche, die Homogenität Bedrohende zu beseitigen oder fernzuhalten weiß. (カール・シュミット『現代議会主義の精神史的地位』1923年版)



もっとも日本の場合、リベラルも似たようなもんだがな。


もう6年になるが「内田樹とその愉快な仲間たち」が次のようにツイートしていてほとんど絶句体験しちまったよ。

内田樹@levinassien 2019年9月12日

昨日の『赤旗』のインタビューの最後に「共産党に望むことは?」と訊かれたので「山本太郎を真ん中にして、左右にウィングを拡げて挙国一致で救国戦線を結成してください」とお願いしました。よい流れだと思います。

想田和弘@KazuhiroSoda 2019年09月15日

言いたいのは、僕が山本太郎さんを応援しているのは、彼が政治家として素晴らしいビジョンを示していて、しかもその道筋を提案されているからです。人並外れた努力もされています。リーダーシップもあります。単に「いい人」だから応援しているのではありません

山崎雅弘@mas__yamazaki 2019年07月23日

「SNSでいくら盛り上がっても、得票には繋がらないのでは?」という話もよく見たが、候補者断トツの99万2000票という数字は、そんな認識を吹き飛ばした。


もちろん票の源泉は、山本太郎議員らの街頭演説が持つ説得力で、それがSNSで拡散されて大量の票と寄付金に繋がった。選挙戦の新しい形を作った。 


要するに《一方は完全ロバと、もう一方は自分の墓掘人どもの才気ある同盟者》(クンデラ『不滅』)としか言い表しようがなかったな。


▶︎世迷言カルト