前回の記事を記すなかで、久しぶりに東野篤子サンとJSFクンのツイートに「不幸にも」行き当たってしまった。
モノは言いようだな、「西側や国際機関による大規模支援」やら「ダーチャはソ連/ロシアの経済政策の失敗の象徴」なんて。お二方も国際政治には詳しい筈だから、ブレジンスキー戦略を知らないわけではないだろうに。
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◾️ジェフリー・サックス「なぜ米国はウクライナ戦争の平和的終結に向けた交渉に協力しないのか? 頼むから交渉してくれ!」2024年6月19日 |
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Why Won't the US Help Negotiate a Peaceful End to the War in Ukraine? For goodness' sake, negotiate!、JEFFREY D. SACHS Jun 19, 2024 Common Dreams |
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冷戦終結以来、米国の大戦略はロシアを弱体化させることだった。1992年には早くも、当時の国防長官リチャード・チェイニーは、1991年のソ連崩壊に続き、ロシアも分断されるべきだと意見を述べた。1997年には、ズビグニュー・ブレジンスキーが、ロシアはロシア領ヨーロッパ、シベリア、極東の3つの緩やかな連合体に分割されるべきだと意見を述べた。1999年には、米国主導のNATO同盟は、ロシアの同盟国セルビアを78日間爆撃し、セルビアを分裂させ、分離独立国コソボに巨大なNATO軍事基地を設置した。2000年代初頭、米国の軍産複合体の指導者たちは、ロシアに対するチェチェン戦争を声高に支持した。 |
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ロシアに対する米国の進出を確実にするため、ワシントンは、NATOはドイツから1インチも東に進まないとミハイル・ゴルバチョフとボリス・エリツィンに約束していたにもかかわらず、NATOの拡大を積極的に推し進めた。最も偏向したのは、米国がNATOの拡大をウクライナとグルジアに推し進め、クリミア半島のセヴァストポリにあるロシア海軍艦隊をNATO加盟国であるウクライナ、ルーマニア(2004年NATO加盟)、ブルガリア(2004年NATO加盟)、トルコ(1952年NATO加盟)、グルジアで包囲するというアイデアだった。これは、クリミア戦争(1853-6年)におけるイギリス帝国の戦略書からそのまま引用したアイデアである。 |
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ブレジンスキーは1997年にNATO拡大の年表を詳しく述べ、2005年から2010年までのウクライナのNATO加盟も含んでいた。米国は実際に2008年のNATOブカレスト首脳会談でウクライナとジョージアのNATO加盟を提案した。2020年までにNATOは中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、旧ソ連の14カ国(1999年にチェコ共和国、ハンガリー、ポーランド、2004年にブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、2009年にアルバニアとクロアチア、2017年にモンテネグロ、2020年に北マケドニア)を拡大し、ウクライナとジョージアの将来的な加盟を約束していた。 |
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Since the end of the Cold War, the U.S. grand strategy has been to weaken Russia. As early as 1992, then Defense Secretary Richard Cheney opined that following the 1991 demise of the Soviet Union, Russia too should be dismembered. Zbigniew Brzezinski opined in 1997 that Russia should be divided into three loosely confederated entities in Russian Europe, Siberia, and the far east. In 1999, the U.S.-led NATO alliance bombed Russia’s ally, Serbia, for 78 days in order to break Serbia apart and install a massive NATO military base in breakaway Kosovo. Leaders of the U.S. military-industrial complex vociferously supported the Chechen war against Russia in the early 2000s. |
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To secure these U.S. advances against Russia, Washington aggressively pushed NATO enlargement, despite promises to Mikhail Gorbachev and Boris Yeltsin that NATO would not move one inch eastward from Germany. Most tendentiously, the U.S. pushed NATO enlargement to Ukraine and Georgia, with the idea of surrounding Russia’s naval fleet in Sevastopol, Crimea with NATO states: Ukraine, Romania (NATO member 2004), Bulgaria (NATO member 2004), Turkey (NATO member 1952), and Georgia, an idea straight from the playbook of the British Empire in the Crimean War (1853-6). |
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Brzezinski spelled out a chronology of NATO enlargement in 1997, including NATO membership of Ukraine during 2005-2010. The U.S. in fact proposed NATO membership for Ukraine and Georgia at the 2008 NATO Bucharest Summit. By 2020, NATO had in fact enlarged by 14 countries in Central Europe, Eastern Europe, and the former Soviet Union (Czech Republic, Hungary, and Poland in 1999; Bulgaria, Estonia, Latvia, Lithuania, Romania, Slovakia, and Slovenia in 2004; Albania and Croatia, 2009; Montenegro, 2017; and Northern Macedonia, 2020), while promising future membership to Ukraine and Georgia. |
東野篤子サンやJSFクンの、いまでも平気で親宇派やってられる「神経の太さ」に感心はしないではないがね。で、日本ツイッター社交界において、こういった人物たちをいまだ許容している「優しさ」にも感心するよ。
上のジェフリー・サックスの日本版として遠藤誉さんの記事も掲げとくよ。
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◼️遂につかんだ! ベルリンの壁崩壊もソ連崩壊も、背後にNED(全米民主主義基金)が! 遠藤誉 2023/8/21 |
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そもそもアメリカのネオコン(新保守主義)は、世界最大の共産主義国家としてアメリカに脅威を与えていたソ連を打倒するためにNEDを1983年に結成したようなものだから、「ベルリンの壁崩壊」と「ソ連崩壊」のプロセスで、ネオコンあるいはNEDが何をしたかをつぶさに考察することは、現在のウクライナ戦争や、巨大化した中国を潰すためにアメリカが唱える「台湾有事」を分析するのには欠かせないエレメントだ。〔・・・〕 NEDが創設されるのは1983年だが、その設立を主導したネオコンは1960年代辺りからアメリカ政界で活動し始めている。その中の一人にズビグネフ・ブレジンスキー(1928-2017年)元米大統領補佐官(カーター政権時代、国家安全保障問題担当)がいる(1988年から1997年の間はNEDの理事)。ポーランド貴族だったブレジンスキー家の高貴な血筋を受け継いでおり、ポーランドに生まれたブレジンスキーは外交官だった父親に伴われてベルリンで(1931-1935年)アドルフ・ヒトラーの台頭を目撃し、その後父親のモスクワ赴任に伴いヨシフ・スターリンの大粛清を経験。1938年のカナダ赴任によりカナダで育ち、最終的にアメリカに定住することとなった。ブレジンスキーは祖国ポーランドがドイツに侵略されただけでなく、第二次世界大戦後は今度はソ連体制下に置かれていることから、ソ連を心の底から憎み、何としてもソ連を打倒したいという強烈な意志に燃えていた。 |
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その怨念を、ポーランドの大司教をローマ教皇にするという史上初めての試みを通して晴らすのだから、スケールの大きさが違う。〔・・・〕 拙著『習近平が狙う「米一極から多極化へ」 台湾有事を創り出すのはCIAだ!』で詳述したように「台湾有事」を創り出しているのは「第二のCIA」であるNEDだ。ブレジンスキーはソ連崩壊に関してはかなりハイレベルのスマートな手段を使ったが、彼とて基本的にはネオコンの軍産複合体に根差しており、NATOの東方拡大には賛成だという好戦的姿勢だった。 ブレジンスキーの思想はオバマ政権とバイデン政権にバイブルのように受け継がれているので、NEDはどんなことでも仕掛けてくる可能性を秘めている。(ロシアを倒すための)ウクライナ戦争自身が、その中の一つだ(これに関しては折を見てNEDのデータを示しながら分析する)。 |
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◼️ウクライナ危機を生んだのは誰か? 露ウに民主化運動を仕掛け続けた全米民主主義基金NED PartⅠ 遠藤誉 2023/10/4 |
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ソ連崩壊とベルリンの壁崩壊などに関して全米民主主義基金NED(National Endowment for Democracy)が関与していたことはNEDの「年次報告書」のデータから判明したが(参照:8月21日のコラム<遂につかんだ! ベルリンの壁崩壊もソ連崩壊も、背後にNED(全米民主主義基金)が!>)、崩壊後からこんにちに至るまで、ロシアを徹底して潰そうとNEDが暗躍し続けてきたことが、同じくNEDの年次報告書から判明した。 ここからNEDが計画的に台湾有事を招き日本を戦争に巻き込む戦略が見えてくる。 そもそも筆者が、なぜアメリカの組織であるNEDなどに深い興味を持つに至ったかというと、中東諸国が中国に近づき始めたことがきっかけだった。特にアメリカの友好国であったサウジアラビアと、アメリカに最も嫌われ厳しい制裁を受けているイランが中国の仲介により和解したときに、関係国の資料を読むと、いたるところに「二度と再びアメリカが起こしたカラー革命により紛争と混乱を招かれたくない」という趣旨の強烈な思いが中東諸国にあることを知った。習近平とプーチンの会談においても、中国語で「顔色革命(カラー革命)」という文字を使って「絶対に顔色革命を再現させてはならない」という言葉が目立った。 そこで、カラー革命に関して調べ始めたところ、それらは全てアメリカのNEDが起こしていたことを初めて知ったのである。そのときの驚きは尋常ではない。 |
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◼️ウクライナ危機を生んだのは誰か?PartⅡ2000-2008 台湾有事を招くNEDの正体を知るために 遠藤誉 2023/10/9 |
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アメリカの軍産複合体を支えるネオコン(新保守主義)指導下で1983年に設立された全米民主主義基金NED(第二のCIA)は、プーチン政権になるとロシア経済が息を吹き返したため、プーチン政権を潰すべく旧ソ連圏諸国におけるカラー革命を加速し始めた。カラー革命は「現政権の選挙不正を口実にして民衆を焚きつける手法」で共通している。その中の一つにウクライナのオレンジ革命がある。〔・・・〕 ……旧ソ連圏諸国から囲い込むようにカラー革命を起こしては親露の現政権を転覆させ、ウクライナでは2004年11月にオレンジ革命を起こすことに成功している。 ウクライナの親露派のクチマ大統領に代わって、同じく親露派のヤヌコーヴィチ氏が大統領に当選すると、「選挙に不正があった」として民衆を焚きつけ、選挙のやり直しをさせることに成功した。 その結果、欧米寄りのユシチェンコ氏が大統領に当選するのだが、出口調査から開票、報道、民意調査すべてをNEDが支援する団体に行わせているので、「どちらが不正選挙か」と言いたくなるほどだ。 |
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◼️ウクライナ危機を生んだのは誰か?PartⅢ 2009-2015 台湾有事を招くNEDの正体を知るため 遠藤誉 2023/11/29 |
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NED設立の母体になっているアメリカのネオコン(新保守主義)の根城を形成しているヌーランド国務次官補(当時)もバイデンとペアでマイダン革命勃発と親米(ポロシェンコ)政権誕生に没頭した。 こんなことをされたためにプーチンはクリミア半島を地元住民の選挙を通して併合したわけだが、ここまでアメリカがウクライナの内政干渉をしたことは、日本のメディアでは、ほぼスルーするようになっている。 そこの真実は、都合が悪いので、見たくないのだ。 NHKでさえ、クリミア半島という言葉の枕言葉に、必ず「ロシアが一方的に併合した」という接頭語を付けないで「クリミア半島」という言葉を使ったことがない。驚くほどの徹底ぶりだ。 |
で、NEDはもう解体されたでしょ、なんてことを言う人がいるやも知れず、念のため、ブライアン・バーレティックの記事を掲げとくよ。
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Brian Berletic@BrianJBerletic 2025/05/02 |
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米国全米民主主義基金(NED)は「解体」されたのではなく、単に闇に潜っただけだった… NEDはウェブサイトに新たなガイドラインを掲載し、世界中で資金提供している反体制団体への比較的透明性のある情報開示を正式に終了したことを正式に示した。 これは実際にはトランプ政権が発足するずっと前から始まっており、バイデン前政権下ではNEDのウェブサイトから情報開示が削除されていた。 NED、USAID、そしてますます露呈しているその他の米国の政治介入手段を「解体」しようとする試みは、単にそれらを合理化し、より巧妙に隠蔽するための口実に過ぎなかった。 トランプ政権はディープステートを根絶しようとしているのではなく、ディープステートがより深く根を張るのを支援する役割を果たしているのだ。 |
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US National Endowment for Democracy (NED) Didn't get "Dismantled," it simply went Dark... NED just posted on its website new guidelines indicating officially the end of relatively transparent disclosures to opposition groups it is funding around the globe. This actually began long before the Trump administration took over, with disclosures being deleted off the NED website during the previous Biden administration. Attempts to pose as "dismantling" the NED, USAID, and other increasingly exposed US tools of political interference simply served as cover for streamlining and concealing them better. The Trump administration isn't uprooting the deep state, it is serving its role in helping it dig in deeper. |
なおより一般論としてのブレジンスキーについては、▶︎「アメリカのシステムにおいて「ブレジンスキー戦略は止まらない」」

