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2017年8月18日金曜日

沈黙と測りあえるほどに

◆スカルラッティ:ソナタ ニ短調K.213 (ピアノ:セルゲイ・カスプロフ)




セルゲイ・カスプロフはすくなくとも若手ナンバーワンピアニストだ、1979年生れだから若手というわけではなく中堅というべきかもしれないが。彼には徹底的な静けさの瞬間がある。わたくしの言い方なら「神」があらわれる。

すこし大袈裟な表現といってもいいさ、惚れたせいでそう感じるのかもしれないと疑うべきなんだろうよ。

なによりもまずスカルラッティのK213を「祈るように」演奏してくれるピアニストが好きなのさ。すこしまえ、Irina Zahharenkova(1976年生れ)のK213の演奏に、ああ、「音、沈黙と測りあえるほどに」と記したことがあるが、この表現はセルゲイ・カスプロフにとっておくべきだった。

いやあほんとに彼は澄んでいる。わたくしが女だったらこういう男に惚れただろう。たぶんジャコメッティの次ぐらいに。



◆Sergey Kasprov - scarlatti, stravinsky