ここで「刻印」という語が連発されるセミネール16の「ラカンの数学」の図をひとつ掲げてみよう。
ーーさておわかりだろうか、この数学を。ラカンはこういった図を提示しつつ、フレーゲの名を出していることに注意を促しておこう。
わたくしはあの名高い『算術の基礎 Die Grundlagen der Arithmetik』をかじってみようとしたことがないではないが、すぐさま投げ出したので、いまなんらかの説明を書く気ははまったくない。
屁屎尿の集合は8要素成り立っている。
屁・屎・尿・屁屎・屁尿・屎尿・屁屎尿・尸である。
屁・屎・尿・屁屎・屁尿・屎尿・屁屎尿・尸である。
尸とは空集合 ∅ であり、漢字圏では尼と記される場合がある。
尸が囲む匕は、妣(女)の原字であり、
細いすき間をはさみこむ陰門をもった牝を示す。
ラカンはこの空集合を、女 Lⱥ Femme・S(Ⱥ) ・非全体 pas- tout と記した。ーーいくら数学に疎い方でもこういった日常的な思考を欠かしてはナリマセン!
とはいえこのときの思考において欠けているものは、ラカンは女 Lⱥ Femme・S(Ⱥ) に相当するものを、骨象(osbjet)、あるいは文字対象a( la lettre petit a)とも記していることである(S23、11 Mai 1976)。これは、たぶん喉に突き刺さった骨のようなものであろう・・・したがってS(Ⱥ)や斜線を引かれた女(Lⱥ Femme)とは文字対象a( la lettre petit a)でもありうるのである。
さて上の図に戻ろう。右には、ラカンは1=1+aと記している。
そしてフレーゲの最も基本的な考え方のひとつは、こうでアルラシイ。
ま、なんとなくわかったらいいのである・・・
大切なのは次のことである。
たとえば「私」という「一」のシニフィアンがある。この一人称単数代名詞は「私」を徴示することはけっしてない。つねに残りもの・落しものがある。この残りものが、対象aである。
フレーゲの思考においては、「一」という概念は、ゼロ対象と数字の「一」を包含している。(Guillaume Collett、The Subject of Logic: The Object (Lacan with Kant and Frege), 2014, PDF)
ま、なんとなくわかったらいいのである・・・
大切なのは次のことである。
すべてのシニフィアンの性質はそれ自身をシニフィアン(徴示)することができないことである il est de la nature de tout et d'aucun signifiant de ne pouvoir en aucun cas se signifier lui-même.( ラカン、S14、16 Novembre 1966)
たとえば「私」という「一」のシニフィアンがある。この一人称単数代名詞は「私」を徴示することはけっしてない。つねに残りもの・落しものがある。この残りものが、対象aである。
すなわち「一」の徴のあるところには、常に喪われた対象がある。数学に疎いアナタとボクはこれでいいのである。
常に「一」と「他」、「一」と「対象a」がある。il y a toujours l'« Un » et l'« autre », le « Un » et le (a) (ラカン、S20、16 Janvier 1973)
ラカンがサントーム sinthome を「一のようなものがある Y'a d'l'Un」に還元 réduit した時、「一のようなものがある」は、臍・中核としてーー シニフィアンの分節化の残滓のようなものとして--「現実界の本源的繰り返し réel essentiel l'itération」を放つ。ラカンは言っている、「二」はないと。この繰り返しitération において、自ら反復するse répèteのは、ひたすら「一」である。しかしこの「一 」は身体ではない。 「一」と身体がある Il y a le Un et le corps。これが、ラカンが「シニフィアンの大他者 l'Autre du signifiant」を語った理由である。シニフィアンの大他者とは、身体である。(Percussion du signifiant dans le corps à l'entrée et à la fin de l'analyse Hélène Bonnaud、2012-2013, PDF)
言語を使用するヒト族における構造的トラウマ(参照)、事故的トラウマ(被災等)による反復強迫は、「メカニズムとしては」すべてこれにかかわる、とわたくしは今のところ考えているが、もはや脳軟化症が進行中の身なのであまりカクとしたことはいえない。
いやあテキトウなことを記しちまった。この記事は、・・・ま、投稿シテオコウ
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