我々の全言説は現実界に対する防衛である tous nos discours sont une défense contre le réel である。(ジャック=アラン・ミレール、 Clinique ironique 、 1993)
美は現実界に対する最後の防衛である。la beauté est la défense dernière contre le réel.(ジャック=アラン・ミレール、L'inconscient et le corps parlant、2014)
私は…問題となっている現実界 le Réel は、一般的にトラウマ traumatismeと呼ばれるものの価値を持っていると考えている。…(ラカン、S.23, 13 Avril 1976)
ーートラウマ=穴、《「穴ウマ(troumatisme =トラウマ)」》(S21、19 Février 1974)
したがって(ラカン派においては)美は穴に対する最後の防衛である。
美には傷 blessure 以外の起源はない。どんな人もおのれのうちに保持し保存している傷、独異な、人によって異なる、隠れた、あるいは眼に見える傷、その人が世界を離れたくなったとき、短い、だが深い孤独にふけるためそこへと退却するあの傷以外には。(ジャン・ジュネ『アルベルト・ジャコメッティのアトリエ』宮川淳訳)