新型コロナ「4~5月がピーク」
感染症対策の第一人者、東北医薬大・賀来満夫特任教授
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――政府は小中高校の臨時休校を要請し、外出を自粛する動きも広まっている。
学校は家庭に次いで感染が広がるリスクが高い。効果はまだ分からないが、「1~2週間が山場」という中での選択としては理解できる。大切なのは、臨時休校や外出自粛などの感染対策を組み合わせることだ。
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なぜ「若者」に注意喚起したんですか?
専門家会議の中の人(岡部信彦)に聞いてみた
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ーー流行拡大を予防する目的で、このタイミングでの全国休校は必要なかったということですか?
現実に子どもでの患者発生は中国においても少数で、ほとんどが軽症です。北海道を見ても、確かに学校で子どもの感染者が出ましたが、例外的で、感染しているのはほぼ大人です。
子どもは少ないことに関する理由はまだ不明ですが、これは事実ですし、もっかのところ子どもの間で広がるというわけではないことがわかります。
2009年の新型インフルエンザ発生の時は極めて早い段階で神戸から関西方面全体で休校に踏み切ったこともありましたが、新型コロナは患者層が違うのですから、同じ発想をしてはいけないと思います。
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ーー社会的影響が大きいですしね。
そうです。休校すれば生徒が休むだけではなくて、核家族の共働きが多いのですから、両親が仕事に行けなくなります。その人たちが職場から抜けると、事業継続どころではなくなりますし、医療関係者は特に、共働きや、お子さんを預けながら仕事をされている女性が多いので、その方たちが医療現場に行けなくなると、一気に医療の機能は低下します。
新型インフルエンザの行動計画の中では、医療関係者の保育園、学校の休校は一般とは別に考えないと、医療関係者を確保できないということも考えられています。既にそのような議論をしておきながら、今回、唐突に患者発生のない地域も含めて全国休校を決めるのは、どういうことなんだと思います。
今は踏み切るタイミングではないと思いますし、専門家会議に一言聞いてくれたらそんなことに悩まずに済んだのではないかと思います。
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ごく常識的な判断として「全国休校」はピークカット効果があるはずなのだが、なぜ専門家会議の人たちは、上のようなことをいまだ言うんだろうな、不思議でならないね。これは、同じ専門家会議のメンバー東北大学大学院医学系研究科の押谷仁教授インタビュー記事を読んでもそう思ったが。
次のようなことを連発している人物もいるけどさ、シツレイながら、「木を見て森を見ない」専門家の典型にしか思えないな。
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全国一律休校はなぜ愚策か
(2020年2月28日 - 鐵人三國誌2月27日分,2月28日分)
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COVID-19はインフルエンザとはまったく性状が違い(インフルエンザは学童への集団予防接種を事業としてやっていて,herd immunityをつけていた頃は,それによって流行を抑えることができていた証拠もある),休校が有効という根拠はない。例えば,R0の分散が大きくなくて,期待値が10とかあるような感染症だったら,ライフラインを除いて全部休業とするなら意味はあるが,その場合でも高校までの学校教育機関だけ休みにするのでは意味がない。COVID-19はR0の分散が大きいから地域クラスターへの介入で抑え込もうとしているのに,全国一斉休校は真逆の愚策だ。取り下げるべき。
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世界が混沌としてきた(2020年3月5日 - 当該鐵人三國誌)
神戸大学 中澤 港
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イタリアの感染状況は細かく見ていないが,今日のニュースで報道されていた政策が,大学まで含む学校だけの2週間の全国一斉休校だとしたら,やはり愚策だと思う。そこまでしなくてはいけない蔓延状態だとしたら,そこから立ち直るためには,休校だけでなく,中国でされているような都市間交通停止とか外出禁止までやらないと効果が薄いだろう。蔓延状態でないのなら,学校ごと(あるいはせいぜい地域ごと)に休校判断をする,台湾方式の方が合理的だろう。
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ちなみにこの中澤港氏がしばしば依拠しているハーバード大学のMarc Lipsitchはこう言っている。
◼️追記
A big coronavirus mystery: What about the children?
BY Alvin Powell Harvard Staff Writer February 27, 2020
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Q&A Marc Lipsitch
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GAZETTE: For the first time, the number of new cases outside of China was higher than those inside of China. Is that due to the daily fluctuation in case numbers or might it represent an inflection point in the course of the epidemic?
LIPSITCH: I don’t know. I would want to see something happening for several days before characterizing it, but the evidence is now pretty strong that China’s approach to very, very intense social distancing has really paid off in terms of reducing transmission. The WHO mission came back confirming that, and, from what I’ve been able to learn, it really is true. That’s encouraging, but at the same time, other countries are discovering that they have lots of cases and don’t have those kinds of measures in place. I also don’t think that China is out of the woods. I don’t think any country can keep that kind of social distancing in place indefinitely. In fact, China, from what I understand, is trying to go slowly back to work, so there’s a risk that it will resurge there. But in many parts of China it seems like, for the moment, it’s really under control.
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GAZETTE: You’ve been quoted you as saying you expect between 40 percent and 70 percent of humanity to be infected with this virus within a year. Is that still the case?
LIPSITCH: It is, but an important qualifier is that I expect 40 to 70 percent of adults to be infected. We just don’t understand whether children are getting infected at low rates or just not showing very strong symptoms. So I don’t want to make assumptions about children until we know more. That number also assumes that we don’t put in place effective, long-term countermeasures, like social distancing for months at a time which, I think, is a fair assumption. It may be that a few places like China can sustain it, but even China is beginning to let up.
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◼️追記
子どもの感染、大人と変わらず
新型コロナ、米中チーム
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新型コロナウイルスの子どもへの感染のしやすさは、全年代の平均と変わらないとする研究成果を米ジョンズ・ホプキンズ大と中国深セン疾病予防コントロールセンター(広東省)などのチームが7日までにまとめた。
これまでの中国内の研究では子どもの患者が少ないとのデータもあるが、ジョンズ・ホプキンズ大のジャスティン・レスラー准教授は「感染のしやすさは子どもも大人も同じ。子どもは重症化しにくいだけなのかもしれない」としている。
チームは、1月中旬から2月にかけ中国湖北省から深セン市を訪れた人で新型肺炎を発症した300人と、その人たちと濃厚接触があった約1300人を調べた。
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