当時ーー1970年代、わたくしがはじめて出会ったのは16歳ーー、盲目のオルガリスト、ヘルムート・ヴァルヒャの曇りガラスをへだてたような音で一冬のあいだ何度も聴き、窓から見える裸になった百日紅の姿の記憶とともにある。
■Organ Sonata No. 4 in E Minor, BWV 528: II. Andante · Helmut Walcha
そのあと、軽快なマリー=クレール・アランで聴いたのだが、どうもいけなかった。当時はこのふたりしかレコードが手に入らなかった。
■Organ Sonata No. 4 in E Minor, BWV 528: II. Andante · Marie-Claire Alain
■Organ Sonata No. 4 in E Minor, BWV 528: II. Andante · Helmut Walcha
そのあと、軽快なマリー=クレール・アランで聴いたのだが、どうもいけなかった。当時はこのふたりしかレコードが手に入らなかった。
■Organ Sonata No. 4 in E Minor, BWV 528: II. Andante · Marie-Claire Alain
ヴィキングル・オラフソンの演奏は冒頭は沈潜とした音ではじまり惹きつけられたが、後半は過剰なクレッシェンドやフォルテなど、わたくしにはいくらかうるさすぎる。とはいえどちらかというと単調な曲なので、ピアノ演奏ならとくにああせざるをえないのかもしれない。
彼を「アイスランドのグールド」(NYタイムズ)と呼ぶのはいくらかいいすぎであるがーーすくなくともグールドのようなはっとする閃光が感じられないーー、イージーリスニングのバッハといってしまうほどにはわるくない。
■Víkingur Ólafsson – Bach: Prelude & Fugue, BWV 855a: 1. Prelude No. 10 in B Minor (Transcr. Siloti)