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2020年4月7日火曜日

トリオソナタBWV528アンダンテ

■Víkingur Ólafsson – Bach: Organ Sonata No. 4, BWV 528: II. Andante [Adagio] (Transcr. Stradal)




トリオソナタBWV 528のこのアンダンテは、なぜピアノでやらないのだろうと長いあいだ思っていたのだけれど、ようやくヴィキングル・オラフソンがとりあげて、それなりの数の人がきくようになったんだろう、上の動画は5ヶ月前にアップロードされたばかりなのに53万回も見られている。この曲はメロディメーカーの相のあるバッハの真骨頂のような、とても優美で親密な曲だ。

当時ーー1970年代、わたくしがはじめて出会ったのは16歳ーー、盲目のオルガリスト、ヘルムート・ヴァルヒャの曇りガラスをへだてたような音で一冬のあいだ何度も聴き、窓から見える裸になった百日紅の姿の記憶とともにある。

■Organ Sonata No. 4 in E Minor, BWV 528: II. Andante · Helmut Walcha




そのあと、軽快なマリー=クレール・アランで聴いたのだが、どうもいけなかった。当時はこのふたりしかレコードが手に入らなかった。

■Organ Sonata No. 4 in E Minor, BWV 528: II. Andante · Marie-Claire Alain




ヴィキングル・オラフソンの演奏は冒頭は沈潜とした音ではじまり惹きつけられたが、後半は過剰なクレッシェンドやフォルテなど、わたくしにはいくらかうるさすぎる。とはいえどちらかというと単調な曲なので、ピアノ演奏ならとくにああせざるをえないのかもしれない。

彼を「アイスランドのグールド」(NYタイムズ)と呼ぶのはいくらかいいすぎであるがーーすくなくともグールドのようなはっとする閃光が感じられないーー、イージーリスニングのバッハといってしまうほどにはわるくない。

■Víkingur Ólafsson – Bach: Prelude & Fugue, BWV 855a: 1. Prelude No. 10 in B Minor (Transcr. Siloti)