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2020年7月25日土曜日

若いカルテットのメンバーたち





シューマンカルテットは三人兄弟にひとりの女性という組み合わせだが、このハイドンは実にすばらしい、こんなに生き生きとしてハイドンは聴いたことがない。彼らの別の演奏を聴いたもどうということはないのだが。

若いカルテットが好きだ。むかしはオッサン、というか爺さんたちのカルテットばかりをきいてその重苦しさにいささか辟易気味になったせいもあるが。女性がひとり混じっていたらさらにいい。




ーーこの記事は、この映像に行き当たったので記しているのだが、4人の集まりが続くのは我慢が必要だ、2人の結婚だって難しいのに4人だったらずっと難しいよ、と言っている第一ヴァイオリンのピエール・コロンベの言葉は重いね。

エベーヌカルテット Quatuor Ebène は、15年来のメンバー、ビオラのマチュー・ヘルツォク Mathieu Herzog が2014年にグループから離れた(彼は現在指揮者をやっているが、たぶん苦闘中。みずからアンサンブルを結成しているのだが、ときに昔の仲間、第二ヴァイオリンのガブリエルをコンサートマスターに呼んだりしている)。

Mathieu Herzog の後釜は、約3年のあいだ Adrien Boisseau だった(彼は今ソロ奏者をやっていて内田光子との共演もある)。そして2017年から上の映像のなかの女性マリー・シレム Marie Chilemmeである。

最近のフォーレop121三楽章とマチュー・ヘルツォク時代の同じ三楽章を貼り付けておこう(op121は偏愛の曲でとくに二楽章のアンダンテが格別なのだが、ここでは三楽章のアレグロ)。



第一ヴァイオリンのピエール・コロンベ Pierre Colombetはもとからとってもうまいんだが、この演奏では第二ヴァイオリンのガブリエル・ル・マガデュール Gabriel Le Magadureの歌にとても惹かれる。3分12秒あたりからビオラのマリー・シレムの音がよく聞こえてくるのも、こんな風にきこえてきたことはなかったのでとても印象的。チェロのラファエル・メルラン Raphaël Merlinだって控えめながらとってもいい。ときにもう少しツヤのある音を出してほしいと思わないことはないがそれは贅沢というものだろう。





これは上のコンサート録音とは違いスタジオ録音で、そうであってもとても情動的演奏で、ああ若いカルテットはとってもいいなと感じ、エベーヌに真に惹かれた最初のものなのだが、今は2018年のほうを取る。