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2020年9月1日火曜日

国家的損失だぜ、お前らとはちがうよ

柄谷行人は1975年9月から1977年1月までイェール大学東アジア学科で客員教授をして日本文学を教えていたのだが、前回も記したようにそのあいだに岩井克人、水村美苗夫妻と知り合っている。

ところで当時の柄谷も連れがいたんだろうか、とネット上を調べてみたら、奥さんの冥王まさ子さんだけではなく、子供二人を連れて米国暮らしをしていたらしい。

柄谷行人は冥王まさ子と東大の大学院時代の1965年に結婚している。柄谷は1941年生まれ(冥王まさ子は1939年生まれ)で、その後二人は離婚しているがいつかはわからない(冥王まさ子は1995年、カリフォルニアにて動脈瘤破裂で死んでいる)。

ところで1976年夏のヨーロッパ家族旅行を描いた冥王まさ子の『天馬空を行く』(1985年)という小説があるそうだ。私は全然知らなかったが、アマゾン書評にとても面白いことが書かれている。





私は柄谷行人の女関係にはまったく思いを馳せたことがなく迂闊だった。大人しそうな奥さんがいるんだろうな程度に思い込んでいた。

柄谷の資質がアナーキストであるのは自ら何度も言っているが、冥王さんが書くアナーキストぶりも想像をはるかに超えている。

もう少し探ってみると冥王さんの小説一項の画像もある。




ーー「国家的損失だぜ」とはいかにも柄谷である。ドゥルーズ フーコー デリダよりオレのほうが評価されないのはいったんどういうわけだろ? ーーなんてことは直接には言っていないが、そう読んでもよさそうなことを『闘争のエチカ』だったか『批評空間』だったかでの対話で言ってたから(いま記憶でテキトウに書いてるからご注意を!)。

・・・というわけでここに記したことはあまり信用しように。「国家的損失だぜ、お前らとはちがうよ」ぐらいだったらいいよ。

ところでNAM運動、いつ再起動するんだろ? もうすぐハイパーインフレが起こるだろうからもう動いておかなくちゃいけないはずだけどな。
今後、近いうちに、世界経済の危機が必ず訪れる。(…)もともと、世界経済の破綻が迫っていたのだし、まちがいなく、今後にそれが来ます。(柄谷行人「反原発デモが日本を変える」2011年)
私は今世紀のはじめごろ、NAM(新アソシエーショニスト運動)という運動をやっていました。二年で解散しましたけど、別にあきらめていない。もう一度やろうと思っていますよ。 (柄谷行人氏ロングインタビュー 普遍的な世界史の構造を解明するために 2019年3月1日)

危機に遭遇したら、人はアソシエーション=大きな家族しかないからな、誰もが知っている筈のように。家族とは経済単位という意味だ。そして日本は何よりもまず大きな家族をいくつも作るしかない。


ーーー細かいデータは「インテリという名の「知的障害者たち」」を見よ。

未来の問題では全くない。1990年からこの今の2020年への驚くべき移行の問題だ。税金を倍増近くにしなければ、社会保障が維持できるはずはないのに、雀の涙ほどしか増えていないのだから借金が雪だるま式になって、もはや借金をチャラにする唯一の手段、ハイパーインフレを期待するしかない、ーーとすこしは柄谷にならって断言的に言っておくよ