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2021年2月8日月曜日

フロイトラカン基本区分

 質問をもらっているが、最も簡潔に示せばフロイト用語とラカン用語の関係は次のようになる


フロイト区分は次の通り

後期フロイト(おおよそ1920年代半ば以降)において、「自体性愛-ナルシシズム」は、「原ナルシシズム-二次ナルシシズム」におおむね代替されている。

Im späteren Werk Freuds (etwa ab Mitte der 20er Jahre) wird die Unter-scheidung »Autoerotismus – Narzissmus« weitgehend durch die Unterscheidung »primärer – sekundärer Narzissmus« ersetzt. (Leseprobe aus: Kriz, Grundkonzepte der Psychotherapie, 2014)


ーー対象愛 Objektliebe=対象リビドー Objektlibidoについては割愛[参照]。



ラカン区分は次がベース。


フロイトのリーベ[Liebe]は、(ラカンの)愛、欲望、享楽をひとつの語で示していることを理解しなければならない。il faut entendre le Liebe freudien, c’est-à-dire amour, désir et jouissance en un seul mot. (J.-A. Miller, Un répartitoire sexuel, 1999)


ーー愛は想像界、欲望は象徴界、享楽は現実界である。


ラカン語彙については、例えば


ナルシシズムの相から来る愛以外は、どんな愛もない。愛はナルシシズムである。qu'il n'y a pas d'amour qui ne relève de cette dimension narcissique,[…]  l'amour c'est le narcissisme  (Lacan, S15, 10  Janvier  1968)


等々、「愛欲望享楽基本版」を参照されたし。


そしてラカンの享楽とはフロイトの自体性愛のこと。


自体性愛=自己身体の享楽であり「自己身体」の意味は、「去勢された自己身体ーー自体性愛文献」を参照されたし。