ミアシャイマーの言っていることは基本的にはこういうことだ。
要は、左上のNATOの東方拡大が、右下のロシアによるウクライナ軍事侵略に帰結したと。
ミアシャイマーは、いま上にリンクしたひと月前の動画でだが、ワシントンや主流メディアは寝言しか言っていないと強調している。NATOの東方拡大が戦争の原因じゃないだと? そんなものは苦肉の物語に過ぎないと。
これは何もミアシャイマー独自の見解ではなく原因を探る精神が少しでもあれば、ほとんどの場合こうなる筈である。ケナンが警告し、キッシンジャーが予言し、オリバー・ストーンが断言してきたことでもある。
バイデン政権の対ロ包囲網「戦略」の本質 浅井基文 3/28/2022 |
ロシア・ウクライナ戦争に関する「事実関係」が完全に西側メディアの報道によって歪められてしまっている日本国内では、ロシアがウクライナに対する軍事侵攻を余儀なくされた根本原因がアメリカ主導のNATO「東方拡大」、特にロシアにとって最後の緩衝地帯であるウクライナをも「東方拡大」の対象にすることを排除しないバイデン政権の対ロ政策に対する危機感にあることを正確に認識する向きはほとんどありません。〔・・・〕 ロシアの軍事侵攻は、戦争を禁じた国連憲章第2条4項違反で許されないことは間違いありません。しかし、ロシアをそこまで追い込んだアメリカの対ロ政策、さらにいえば、相変わらず世界の「一極支配」にしがみつくバイデン政権の危険な本質を見極めないと、今後も私たちはアメリカそして西側メディアによって「思いのままに動かされる操り人形」であり続けることになってしまいます。私は、物事の現象面と本質面とを冷静に見極める判断力を私たち日本人が我がものにすることが何よりも求められていると考えます。 |
「プーチンはNATOの拡大ではなくウクライナの民主化を怖れた」のたぐいの御用学者の見解など人は一蹴せねばならない。あれこそ操り人形である。
なぜ中堅の「知的訓練を充分に積んだはずの」国際政治学者たちが、一般公衆と同じ狢となって、この罠に嵌ってしまっているのかは実に興味深い現象である。おそらく自らの「信念の牢獄」の囚人になってしまっていて聞きたくない話は「耳に入ってきてもそれを信じないという形で反応」しているのではないか。 |
聞きたいことは信じやすいのです。はっきり言われていなくても、自分が聞きたいと思っていたことを誰かが言えばそれを聞こうとするし、しかも、それを信じやすいのです。聞きたくないと思っている話はなるべく避けて聞こうとしません。あるいは、耳に入ってきてもそれを信じないという形で反応します。(加藤周一「第2の戦前・今日」2004年) |
加藤周一はこの発言を「第2の戦前・今日」という講演にて言っていることに十全に注意しなければならない。少なくとも現在の国際政治学者のほとんどは戦前の知識人と変わらない。加藤周一の師渡辺一夫が言った知識人と。ーー《知識人の弱さ、あるいは卑劣さは致命的であった。日本人に真の知識人は存在しないと思わせる。知識人は、考える自由と、思想の完全性を守るために、強く、かつ勇敢でなければならない。》(渡辺一夫『敗戦日記』1945 年 3 月 15 日)
ウクライナの民主化についても、少し調べれば、その実態は「民族主義化=同質化=異質なものの排除」➡︎ファシズム、というカール・シュミットの定義通りの民主主義(参照)になってしまっているのはすぐさまわかることである筈なのに。
デモクラシーという言葉だけで踊っている政治学者が多すぎる。
で、私の考えでは、巷間の殆どの中堅国際政治学者はたんなる「病気」じゃないの? ということだよ。いわば米ネオコン宗教信者症状だ。
ウクライナのネオファシズム(ネオナチ)あるいは極右問題については、国際機関で取り上げられていることだけでも、例えば米国とウクライナだけ「2021年12月の国連決議においてネオナチ賛成投票」していたり、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルの2018年レポートには「ウクライナ当局は『極右』による暴力活動を放置しており、2015年以降暴力活動が着々と増加している」とある。
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※付記
kakuyokusyugi@kakuyokusyugi 4月14日 ネオナチをいないとするプロパガンダに加担する専門家はいくつか種類がいる。 ・それが正義だと思ってやってる親米従属派の確信犯 |
たまたま行き当たって「国際政治学者ウンコちゃんへのお願い」にて上のツイートを引用した鶴翼さんって気合いが入ってるなあ。
細谷雄一と東野篤子、ボロボロになってるや。
彼は「理解が深まったのは有意義だった」と書いてるけど
みなさんもきっと理解が深まると思うよ。
kakuyokusyugi@kakuyokusyugi 2022年4月15日 分析できない専門家の代表、慶応義塾大学の細谷雄一氏 |
ちなみに2月24日におこなったプーチン大統領の演説では開始1分で「NATOの東方拡大」に触れている。 |
NATO東方拡大について、 筑波大学の東野篤子氏 |
最終的には、開戦直前にプーチンがNATO東方拡大に言及していたことに気づいた模様。 |
間違いなんて誰にでもあるから「すいません、言ってました」と一言謝罪して修正すればいいのに、それをせず話をつづけるからスレッドが 「NATO東方拡大言ってない」→「言及は驚くほど少ない 」→「言ってるが相当違うトーン 」 |
米国人「戦争の原因を語るプーチンはNATO東方拡大のことには言及してない」とその日の発言を切り取ってプロパガンダ。細谷氏が「東方拡大に言及してないのに、なぜ日本の一部有識者や政党は、NATO拡大をその原因と語るのか? 」 |
しかし、実際には2月24日の会見でプーチン大統領は明確に「ドンバスの悲劇」と「ロシアの安全保障問題(NATO東方拡大)」が原因と発言してる。 |
「プーチン大統領の先日の記者会見」と限定して書いてある!と東野氏は言い訳してるが、 |
池田氏がおっしゃるように「プーチンの論調に変化がみられる」という話なら、そういう解釈もあってもいいと思いますが、 |
@McFaulや”外交評議会”の連中「プーチンが今回の戦争でNATO侵攻を理由としたのはブラフ。本当に怖いのは民主主義の拡大」 |
@McFaul で、細谷氏もその文脈で「なぜ日本の一部有識者や政党は、NATO拡大をその原因と語るのか? 」と、NATO拡大が原因だとする主張を批判した。 |
@McFaul 東野氏も「細谷氏のおっしゃる通り」と同意していたのに、プーチンの発言を掘ってみるとNATOに言及していたので急に「発言が変化してる」という話にすり替えた。 |
@McFaul 私に「ちゃんと読めるようになるといいですね」とアドバイスしてくださったが、 もし最初から”発言が変化してる”文脈で「細谷氏のおっしゃる通り」と言っていたのなら、話が読めてないのは東野氏の方ではないだろうか。 |
@ergosopher 情報ありがとうございます。 |
@McFaul もう少し整理すると、 |
@McFaul そもそもCIAのこれまでのプロジェクトや近年のネオコンの動き、資金提供などを見ると、「NATO東方拡大」と「旧ソ連周辺国の民主化」を分けて考えること自体ナンセンスだと私は思う。 |
@McFaul 追記 |
@McFaul ロシアは一貫して主張してるのに、NATO東方拡大は最初から原因では無いという主張は流石に無理がある。 |
@McFaul 結局彼らが「NATOが原因ではない」と言ってるのは、ミアシャイマーが2014年に書いた「ウクライナ危機は西側のせいである」と主張する記事に反論するため。 |
@McFaul NATO東方拡大は”最初から”原因ではないとの主張をする専門家は、そういった責任転嫁のプロパガンダをしている連中で、それを真に受けてる人はとても質の低い連中だといえる。 |
@McFaul ちなみに東野篤子氏にはブロックされたので、この話はおしまい。 |
@S782Kenny 東野篤子氏や 細谷雄一氏はヨーロッパの専門家にすぎないので、逆に受け手の方が過度に期待せず、その程度だと思って聞くしかないのかなと。 |
どうせツイッターやるならこのくらいのマインドでやらなくちゃな
オレなんかすぐめげちゃうから向かないんだよ
どうしてこんなバカを相手にしてんだろ、
って感じにすぐなるんだ。
学者なら、《菊池さんの言葉で言えば、「世の中で一番始末に悪い馬鹿、背景に学問も持った馬鹿」》(小林秀雄「菊池寛」)って具合にさ。 とはいえ厄介なのは、一番始末に悪い馬鹿の言葉が伝染力が強いことだが。 |
浅薄な誤解というものは、ひっくり返して言えば浅薄な人間にも出来る理解に他ならないのだから、伝染力も強く、安定性のある誤解で、釈明は先ず覚束ないものと知らねばならぬ。(小林秀雄「林房雄」) |