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2025年4月7日月曜日

日本に富裕層はいない

 


誤解しないようにな。私はこのところリチャード・ウルフ&マイケル・ハドソンRichard D. Wolff & Michael Hudsonの議論、富裕層は資本主義の衰退のコストを庶民に負担させることで、自分たちの利益や富を守るようになる」を掲げたが、ウルフやハドソンのいう意味での富裕層は日本にはほとんどいないんだよ。

日本はバブル時代、ゴルバチョフなどにより「世界で最も成功した社会主義国」と評された。バブル崩壊後、格差は広がったにしろ、いまだってその残滓はふんだんにある。

例えば次のような直近のデータがある。



人口比率からいえば、いまだ世界でナンバーワンぐらいのBillionaire(ビリオネア)ーー10億ドル(約1500億円)相当以上の資産家ーー不在の国だよ。

もっとも日本の場合、次のようなカワイイ数字で富裕層という場合もあるらしいが。




ここで言いたいのは、マイケル・ハドソンらの議論を日本に「安易に」当てはめないことだよ。

だいたいアメリカという国は、国民保険が、最後の社会主義的政策と言われてきたぐらいで、いまだ日本の社会保障の充実ぶりとは比べものにならない反社会主義国ーーつまり自由主義国だからな。





参照ブリタニカ:American Socialism. Should the United States Become Socialist?



ま、こういう最も基本的なことさえ知らずに何やら文句タラタラ言うのがネット民というものだがね。クンデラ=フローベール曰くの、科学の「進歩とともに、愚かさも進歩する!」だよ。

国民負担率の話や消費税の話も同様だ。他国と比べもせずに文句を言う、日本は世界一の老年人口比率国なのに。


アメリカのように自己責任にしたら、国民負担率や消費税は下げれるさ。キミらはそれを選択したいのかい?


最後に申し上げたいのは、日本の場合、低福祉・低負担や高福祉・高負担という選択肢はなく、中福祉・高負担しかありえないことです。それに異論があるなら、 公的保険を小さくして自己負担を増やしていくか、産業化するといった全く違う発想が必要になるでしょう。 (基調講演―財政と社会保障 武藤敏郎 氏 株式会社大和総研 理事長ーー「いま一度、 社会保障の未来を問う」(日本シンクタンク協議会 2016年度冬季セミナー抄録、pdf