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2025年6月27日金曜日

いま進行しているのは「非公式な世界大戦」(スコット・リッター)

 


WARRIOR UPDATE W/SCOTT RITTER EP 102 - WAS ISRAEL DEFEATED? - NATO SUMMIT A FARCE!

2025/06/26



この「熱い」スコット・リッターは、前回のエレナ・パニーナの「冷徹な」記事とともに読むとより理解が深まる。


Акичка@4mYeeFHhA6H1OnF 2025627

イランは状況を見て、これは今すぐには終わらないと判断したのだと思う。

アメリカとイスラエルが核濃縮ゼロを主張し、イランが「いや、我々は濃縮を続ける」と言っている以上、終わるはずがない。この問題の本当の目的は核ではなく、政権転覆にある。だから、また新たな戦闘の段階に入ることになると考える。


イスラエルについてひとつ指摘しておきたいのは、彼らが10年、もしくはそれ以上かけて築いた諜報作戦を自ら台無しにしたという点だ。

ドローン操縦士の中に工作員を潜入、ドローン工場への浸透、その全てが消えた。

これから数週間のうちに700人から800人の人間が絞首刑にされることになる。

彼らは全員モサドの工作員だ。そのネットワークは壊滅した。

もしイスラエルが、今回の作戦中には展開しないと決めた別の10年規模の作戦を持っていない限り、残りの者たちも一掃される。


通信面でもイスラエルはあらゆる手を使った。

あらゆるトリックを駆使してイランに仕掛けたが、うまくいかなかった。

今やイランは体制を立て直しつつあり、もはや通用するトリックは残っていない。

イスラエルの正体は完全に露呈した。


要するに、イスラエルとイランが再び戦闘に突入しても、F-35やF-22の運用方法には限界があり、イスラエルはそれら全てを使い切った。

イランはすでにイスラエルの手口を熟知していて、いま急いで装備を購入し、支援を得て、防空体制を再構築しようとしている。

その体制は、今回明らかになった脅威に特化した形で再編される。


さて、別の話だが、これも重要な点として触れておきたい。

中国のスパイ船が数隻現れ、ロシアに向かったことは知られていると思う。

自分は2つの点について賭けてもいいと思っている。

彼らはおそらく防空支援を求めたのと同時に、「我々の情報システムは脆弱で、内部に侵入者がいて悪事を働いている。助けてくれ」とも言ったはずだ。

間違いなく彼らは情報支援を求め、それを受け取ったはずだ。

ロシアなどの国々も同様に諜報上の問題を抱えていたが、それと戦ってきた過去がある。

だから情報支援を要請したのは当然だし、それがなかったとは考えにくい。


自分が得た情報では、この紛争中に中国の情報収集艦が2隻イスラエル沖に展開し、あらゆる種類のデータを収集していた。

予想を超える情報量だった。理解してほしいのは、イランのミサイルが飛来する中で、特定の港では文字通りパニック状態になっていたということだ。

我々の防空システムは自動作動し、ミサイルを迎撃していた。


過去の経験から言っても、迎撃が始まると、敵の戦場配置を把握しようと試みるが、うまくいかない。

そして気づけば15発のミサイルがネバティム空軍基地に着弾し、「どうしてこんなことが起きたのか」と疑問が生まれるわけだ。


すると調整作業が始まる。

優秀な頭脳を持つ契約業者たちが、「この影を取り除こう」「ここを強調しよう」「この地点でデータを集めよう」と言ってシステムを微調整する。

その過程で彼らは、より高い解像度や明瞭性を得ようとするが、通信を平文で行ったり、暗号を更新し忘れたり、さまざまなミスを犯す。


その間、中国は静かに様子を見ながら、まるで「ありがとう」とでも言いたげに、我々が過負荷状態に陥っている間の全てのデータを収集していた。

彼らは、技術的なデータや現場の挙動を全て取り込み、それを完全に吸収している。

そして最終的に、それらの情報を一括して整理・共有し、大規模なデータ活用に移るだろう。


これが今後起こる現象のひとつなると自分は考えている。

イランと中国の関係の中核には、この「大規模な情報共有」がある。


なぜ中国がそんなことをするのかという疑問には、「台湾」が答えになる。

イランが解析しようとしているミサイル防衛システムは、そのまま台湾に展開されるシステムでもあるのだ。


中国は、事実上こう宣言した。

「ありがとう。我々はあなた方がどうやって運用し、戦闘ストレス下でどう対応するのかを全て理解した。どこが過負荷になるのか、どんな対抗措置にどう反応するのかも把握した。全てわかった」


中国はイランの次世代攻撃能力の調整を支援するだけでなく、将来的に台湾を攻撃する時には、最初の一撃で戦局を決定できるようにするだろう。

長期戦ではなく、一発で決めるための準備を進めている。


さらに、中国とロシアの諜報機関は、モサド、CIA、MI6などの内部活動に共同で対処している。


中国の視点に立てば、「連中は中国国内にドローン関連の秘密拠点を築き、諜報活動をしている。ロシアでも同じことをした。イランでもやった。ならば中国でもやっている。あとはその場所を突き止めるだけだ」と考えるのが自然だ。


だから中国は、イランと連携して、イランが把握した全ての情報を共有し、ロシアや中国が電子監視技術を提供し、徹底的に調査を進める。

それによって構造を解明し、自国内での対策に応用しようとしている。


同様のことがウクライナ戦場でも起きている。

ロシア、中国、その他の国々が、NATOや西側の行動様式を解析するために協力を続けている。


結局のところ、これは事実上の「非公式な世界大戦」だ。

要するに、いま進行しているのは、ある種の非公式な世界大戦だ。


アメリカ帝国は、自分達が主導権を握り続けるために、他の全ての勢力を排除しようとしている。

それに対して、他の国々は連帯し、共に動こうとしている。

そして、イランがロシアの核の傘の下に入るような取り決めが結ばれたとしても、自分はまったく驚かない。




この話の前段ーー、


Акичка@4mYeeFHhA6H1OnF 2025627

つまり、「羊の皮をかぶった狼」の皮が剥がれたということだと思う。


NATOでのトランプを見てみろ。

突然ゼレンスキーが「良い奴」になり、今やパトリオット・ミサイルをゼレンスキーに供与しようという話になっている。

そして今度は「問題はロシアだったのかもしれない」ときて、さらには「やはりロシアこそ敵だったのかもしれない」と彼は言い出す始末だ。


この男はまったく正気じゃない。


我々はこんな人間を選んでしまったのだ。かつては「脳が機能していない」ブレインデッドな大統領がいたが、今は薬を飲んでいないADHDのマンチャイルドが、大統領の座にいて、あちこちに跳ね回っている。


このレベルの非合理性は、「五次元チェス」とは到底呼べない。


「これは天才的戦略なんだ」と言う人たちもいるが、天才はすべて大文字で投稿したりしない。

天才は意味のない言葉を使ったりしない。

天才は、ちょっとした出来事にいちいち感情的に反応したりはしない。駄々をこねる子どもだけが、常に自分の思い通りにしたがり、それが叶わないと癇癪を起こす。


ドナルド・トランプには、洗練された交渉など不可能だ。彼は「世界最高のビジネスマン」で、「ディールの達人」などと言われてきたが、実際には多くのことをブラフで切り抜けてきただけだ。

金というものは、多くの罪を覆い隠してくれる。

そして、これは認めざるを得ないが、彼は父親の金を利用して投資を行い、それをさらに破産手続きに活用して、巨大すぎて潰せない存在にまで自らを作り上げ、それに愚かな人々が騙されてしまった。


だが、今こうして我々は現実に直面している。


この男は、世界の複雑さを理解する頭を持っていない。


本当にあれは「天才的」だったのだろうか。3つの空の施設を、誰の目にも明らかな形で爆撃し、そのうえでイランと共謀して、害のないミサイル攻撃を受けたふりをし、それを口実にしてベンヤミン・ネタニヤフとの取引をまとめる。


なぜなら、ネタニヤフが電話口で「お願いだから終わらせてくれ、頼む、頼む」と懇願していたからだ。


これのどこが天才だというのか。

こういうのは嘘つきのやり方だ。


誠実でない人間がすることだ。


子どもたちは救えたのか。

このやり方で何かが解決されたのか。


正直に言って、日によっては「この男はもう正気を失っているんじゃないか」と思うことがある。


彼の言動のいくつかを見ていると、かつてのトランプ大統領の最初の4年間を思い出す。

当時もトランプではあったが、少なくともユーモアがあり、やりすぎではあってもある意味で一貫性があった。だが今の彼はまるでジェットコースターだ。


「ネタニヤフは嫌なやつで、我慢ならない」と言った翌日には、「ネタニヤフへの全ての告発は取り下げるべきだ、これは政治的な動機に基づいている」とツイートしている。

そして今では「俺が彼を救ってやる」と言っている。まるで「俺の言うことを聞け。そうすれば助けてやる。お前をこの窮地から救ってやる」と言っているように聞こえる。


今、彼はネタニヤフを助けようとしている。

誰の目にも明らかな行為、つまり人々から金をゆすり取っていたような行為を行った人物をだ。


ネタニヤフはギャングだ。

まさにギャングのやり方だ。


しかし、そんなことはもうどうでもいい。

なぜなら、トランプが「ネタニヤフは釈放されるべきだ、彼は素晴らしい人物だ」と言った8時間後には、「ネタニヤフは世界最悪の犯罪者だ。刑務所に行くべきだ」と言い出すのだから。


彼の考え方にはまったく一貫性がない。

あまりに激しく揺れ動くので、もはや誰も彼の発言をまともに取り合おうとはしない。

「今度は何をするつもりなのか。

今何をしているのか」と確認するだけになる。


彼は12時間ごとに180度転換する。

まさにそれだ。12時間ごとに、トゥルース・ソーシャルで180度転換する。


そして象徴的な出来事があった。

副大統領のヴァンスがこうツイートした。「他の副大統領たちも、私と同じくらい“興奮”しているのだろうか」と。


彼が本当に言いたかったのは、「もうこの人に振り回されて、頭がおかしくなりそうだ」ということだ。


スコット、我々は「取り巻きたち」についても語らなければならない。

つまり、トランプという人物を支えてきた者たちのことだ。彼を擁護し、かばい、言い訳し続けている者たちのことだ。


ルビオを見て見ろ。

あの連中はみんな同じだ。

「トランプにしかできなかった」「トランプ大統領は偉大だ」「他のどの大統領にもこれはできなかった」と、朝から晩までトランプの靴を舐めるようなことをしている。


どうやら、政治的影響力を得るには、「自己卑下の谷間」を通らなければならないらしい。


ゲームに参加するには、その中にいなければならない。それはよく分かるし、確かにそうなのだろう。

そしてそのためには、鼻をつまんで我慢し、口を閉ざさなければならない時もあるということも理解できる。


だが、「ばかばかしさの領域」に足を踏み入れた瞬間に、信用は完全に失われる。


大統領に公然と異を唱える必要はない。

だが、自ら進んで愚かさを拡声する必要はまったくない。

それはただ恥ずかしいだけだ。


だが、皆そうしてきた。最初からだ。

なぜなら、トランプは金をばらまき、周囲の人間に「自分は重要な存在なんだ」と思わせ、気分を良くさせるからだ。


だが、それは他人のためではない。

決して他人のためなどではない。

すべてはドナルド・トランプのためだけなんだ。


ドナルド・トランプが世界の中心だ。

すべては彼のためにある。


そして彼は、用済みになったと見なせば、容赦切り捨てる。なぜなら、彼のまわりには、彼のために何でもやるという人間が無限に列を成しているからだ。


そしてあなたが目を覚まし、「あれ?おかしいぞ」と気づいたその瞬間に、彼はあなたを攻撃し、見捨て、次の人間へと乗り換える。


あなたは重要ではない。

重要なのはただひとつ、ドナルド・トランプだけだ。


だから我々は、このような「取り巻きの軍団」を生み出してしまうアメリカのシステムに、何が間違っているのかを理解する必要がある。


そして、その一因はディープ・ステートにある。ディープステートがもたらす「権力への依存症」こそが、その構造を支えているのだ。





《「羊の皮をかぶった狼」の皮が剥がれた》とあるが、少し前に掲げた安吾のアモラル、あるいは集団的西側のリーダーたちを「道徳」という語で非難しても徒労」で掲げたフロイトのアモラルを参照。


《愛くるしくて、心が優しくて、すべて美徳ばかりで悪さといふものが何もない可憐な少女が、森のお婆さんの病気を見舞に行つて、お婆さんに化けて寝てゐる狼にムシャ〳〵食べられてしまふ。》(坂口安吾『文学のふるさと』1941年)、《エスはまったくアモラル(非道徳)であり、自我は道徳的であるように努力する[Das Es ist ganz amoralisch, das Ich ist bemüht, moralisch zu sein]》(フロイト『自我とエス』第5章、1923年)