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2026年5月21日木曜日

世界はジャングルの掟へと退行する危険に直面している[世界面临倒退回丛林法则的危险](習近平)

 


習近平:世界はジャングルの掟へと退行する危険に直面している[Xi: we are facing the risk of regression to “jungle law” in global affairs.


ーー“jungle law”は「ジャングルの掟」以外にも、「無法地帯」、「弱肉強食の流儀」等と訳しうる表現である。


中国語原文では《世界面临倒退回丛林法则的危险》となるようだ[🔗]。






中國國家主席習近平20日與俄羅斯總統普亭會談,並於同日下午共同會見記者。習近平說,中俄關係已邁上新起點,當前世界面臨倒退回叢林法則的危險,兩國作為負責任大國,應堅定履行使命擔當,維護國際公平正義並推動全球治理體系改革。


▶︎邦訳:中国の習近平国家主席は20日、ロシアのプーチン大統領と会談し、同日午後には共同記者会見を行った。習主席は、中露関係は新たな出発点に立ったとし、現在、世界はジャングルの掟へと退行する危険に直面しているとして、両国は責任ある大国として、確固として使命を果たし、国際的な公平と正義を守り、グローバル・ガバナンス体制の改革を推進すべきだと述べた。



もっともこの表現は最近の習近平の定番であるようで、たとえば昨年のカザフスタンの首都アスタナでの「第2回中国・中央アジアサミット」でも言っている。





◼️近平出席第二届中国―中峰会并作主旨

《人民周刊》(2025年08月04日 第 01版

   人民日阿斯塔6月17日  (者杜尚学博)当地时间6月17日下午,第二届中国―中峰会在阿斯塔独立宫举行。哈克斯坦总统托卡耶夫主持会。中国国家主席近平、吉尔吉斯斯坦总统扎帕夫、塔吉克斯坦总统拉赫蒙、土曼斯坦总统别尔德穆哈梅多夫、兹别克斯坦总统米尔济约耶夫出席。元首在友好气氛中共同回西安峰会以来中国―中域合作成果,展望未来展方向,一致决定弘“中国―中精神”,持永久睦友好,携手推中国―中共同体建不断取得新成就。〔・・・〕

  近平指出,当前,百年局加速演,世界入新的动荡变革期。唯有不移公平正之心、不互利共之志,才能维护世界和平、实现共同展。关税没有家,单边、保、霸权主注定人害己。史不能倒退,当向前;世界不能分裂,团结人类不能回到林法建人类命共同体。我要以“中国―中精神”,以更加取的姿和更加务实措加强合作,推共建“一一路”高展,朝着建中国―中共同体目砥砺前行。

▶︎邦訳

習近平氏が第2回中国・中央アジア首脳会議に出席し、基調演説を行う

『人民週刊』(202584 1面)

    《人民日報アスタナ617日電  (記者:杜尚澤、楊学博)現地時間617日午後、第2回中国・中央アジア首脳会議がアスタナの独立宮殿で開催された。カザフスタンのトカエフ大統領が会議を主宰した。中国の習近平国家主席、キルギスのザパロフ大統領、タジキスタンのラフモン大統領、トルクメニスタンのベルドムハメドフ大統領、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領が出席した。首脳らは友好的な雰囲気の中で、西安サミット以降の中国・中央アジア間の各分野における協力の成果を振り返り、将来の発展の方向性を展望し、「中国・中央アジア精神」を弘揚し、永続的な友好的な隣国関係を堅持し、手を携えて中国・中央アジア運命共同体の建設が絶えず新たな成果を収めるよう推進していくことで一致した。〔・・・〕


  習近平氏は次のように指摘した。現在、百年に一度の大変局が加速しており、世界は新たな動乱と変革の時期に入っている。公平と正義への信念を揺るがせず、互恵とウィンウィンの志を貫くことこそが、世界平和を守り、共同発展を実現する唯一の道である。関税戦争や貿易戦争に勝者はなく、単独主義、保護主義、覇権主義は、結局のところ他者を傷つけ、自らも害することになる。歴史は後退してはならず、前進すべきである。世界は分裂してはならず、団結すべきである。人類はジャングルの法則に退行してはならず、人類運命共同体を構築すべきである。我々は「中国・中央アジア精神」を指針とし、より積極的な姿勢とより実務的な措置をもって協力を強化し、「一帯一路」の質の高い共同建設を推進し、中国・中央アジア運命共同体の構築という目標に向かって力強く前進していく。》




あるいは今年になっても、2026年4月14日、北京の人民大会堂でのスペインのサンチェス首相との会談で「ジャングルの法則」という表現を使っているようだ。




なお少し前に記したが、フロイトにとって退行とは抑圧されたものの回帰である[参照]。

さらに言えば、この回帰は事実上、エスへの退行であり、ラカンの無法な現実界への退行である[参照:国際法なきリアルな世界望み赤裸々な露顕]。


習近平曰くの《世界はジャングルの掟へと退行する危険に直面している[世界面临倒退回丛林法则的危险= we are facing the risk of regression to “jungle law” in global affairs.]》とは、フロイト・ラカン的にはこの「エスへの退行=現実界への退行」に相当する。


別の言い方なら、《人間は人間にとって狼である[Homo homini lupus]》への退行である[参照]。