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2020年8月18日火曜日

女がなければ人生は一つの錯誤であろう






幸福に必要なものはなんとわずかであることか! 一つの風笛の音色。――音楽がなければ人生は一つの錯誤であろう。Wie wenig gehört zum Glücke! Der Ton eines Dudelsacks. - Ohne Musik wäre das Leben ein Irrtum. Der Deutsche denkt sich selbst Gott liedersingend.(ニーチェ『偶像の黄昏』「箴言と矢」33番)
音楽がなければ、生には何の意味もありませんよ。音楽は私たちの深部に触れます。音楽は、私の人生で途方もなく大きな役割を果たしました。音楽を解さない人間にはまったく興味がありませんね。ゼロですよ。(シオラン『対談集』)

あんたたちそんなこと言うけどさ
女なしでもいいわけ?
音楽なしの人生と女なしの人生
どっちか選ばなくちゃならないとしたら
どっちとるの?

高橋悠治はグールド追悼文で言ってるわ
「音楽なんか聴かなくても生きていける」って
でも女なんかいなくても生きていけるわけ?


女はその本質からして蛇であり、イヴである Das Weib ist seinem Wesen nach Schlange, Heva」――したがって「世界におけるあらゆる禍いは女から生ずる vom Weib kommt jedes Unheil in der Welt」(ニーチェ『アンチクリスト』1888年)

あらシツレイね、
アファナシエフは神か音楽かっていってるわ




で、《女というものは神の別の名である La femme dont il s'agit est un autre nom de Dieu》(ラカン, S23, 1975)だわ

あんたたちこっちのほうでしょ?

ああ、アリアドネ、あなた自身が迷宮だ。人はあなたから逃れえない。…
Oh Ariadne, du selbst bist das Labyrinth: man kommt nicht aus dir wieder heraus” ...(ニーチェ、1887年秋遺稿)

おバカなこと言わないほうがいいわよ
「女がなければ人生は一つの錯誤であろう」にきまってるわ

「まことに彼は神の子だった Wahrlich, dieser ist Gottes Sohn gewesen」
だって、人はみな女の子ってことよ





おわかりかしら、
「女か音楽か」しかないのが。


生への信頼 Vertrauen zum Leben は消え失せた。生自身が一つの問題となったのである。ーーこのことで人は必然的に陰気な者、フクロウ属になってしまうなどとけっして信じないように! 生への愛 Liebe zum Leben はいまだ可能である。ーーただ異なった愛なのである・・・それは、われわれに疑いの念をおこさせる「女への愛 Liebe zu einem Weibe」 にほかならない・・・(ニーチェ対ワーグナー、エピローグ、1888年)