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2025年4月27日日曜日

伝染力の強い「浅薄な誤解=浅薄な人間にもできる理解」


たまたま実に今の日本を象徴する二つの対立的セットを拾った。



元国連のよしログ(山本芳幸)氏も元外交官の孫崎享氏もふだんは7割方?まともなことを言っている人物だよ。


それに対して元日本経済新聞デスクの磯野直之氏と元モルガン銀行日本代表の藤巻健史氏のセット。



で、どっちが「よほどの馬鹿」なんだろ? 皆さんはヨーオク熟慮して判断したほうがいいよ。私の観点からの▶︎「参考文献」。


で、《労働者を代表するポストにいる人が、労働者の生活を改善する政策を非難するとは、よほどの馬鹿でないとできないこと。しかしこうした馬鹿を労働者の代表のポストにつけているドス暗い人々、組織が存在してることに気づくべきだ》ってことをマガオで言ったり賛同したりは、よほどの馬鹿でないとできないと、私は思うがね。


2017年の段階だが、日銀の知恵袋と呼ばれた元日銀理事・早川英男氏は次のように「正しく」言っている。

社会保険料は給与の額に応じて支払われるので、課税対象は賃金、すなわち「賃金税」である。しかも、社会保険料は(厚生年金、企業型健康保険については)被保険者と企業が折半で負担する特別な「賃金税」だということになる。〔・・・〕

社会保険負担が大幅に増えているのに、消費税などと違って負担増があまり意識されていない(したがって政治的反対も少ない)のは、毎月の給料の中から天引きの形で保険料が支払われているからだろう。〔・・・〕

こうした社会保険料の増加の結果、驚くべきことに、今では家計の社会保険料負担は所得税等の負担を上回り、企業の社会保険料負担は法人税負担を上回るに至っている。


こう考えると、社会保障費を税で賄うなら、賃金税より資源配分への悪影響が少ない消費税で賄うべきではないかという疑問が自然に湧いてくる。消費税は逆進的だとされるが、高所得者の社会保険料負担の上限を考慮すると、社会保険料は消費税以上に逆進的であり得る。にもかかわらず、消費税率引上げは二度までも先送りされ、社会保険料は毎年上がり続ける。それは、消費増税には法改正が必要であり、政治的反発が強い一方で、社会保険料はほぼ自動的に上がっていくからだ。しかし前述のとおり、こうした姑息な形での社会保障負担の増大は、雇用・賃金の不安定化や将来不安等に伴う個人消費の抑制に繋がっている。政治プロセスの非対称性の問題も含め、もう一度「税と社会保障の一体改革」を考え直すべき時ではないかと思う。(早川英男「「賃金税」としての社会保険料」2017714日)



とはいえ、ホントは僕はもはや諦めているがね、初歩的な啓蒙でさえも。ーーーー《浅薄な誤解というものは、ひっくり返して言えば浅薄な人間にも出来る理解に他ならないのだから、伝染力も強く、安定性のある誤解で、釈明は先ず覚束ないものと知らねばならぬ。》(小林秀雄「林房雄」)